シアトルから潮干狩りに行く際の持ち物リスト13選

日紀

ワシントン州の海岸は入り組んだ地形をしていて、潮干狩りに適した場所が結構多い。3月に2回潮干狩りに行って、5月になって1回行った。貝を摂るの自体も人類の起源という感じで楽しいし、景色もよい。さらに、日本に比べて貝がザクザク採れる。

3月は人が少なく混んでおらず、自分の好きなところで自分の好きなように潮干狩りができる。そのかわり寒いので防寒対策は必須である。5月の天気がよい日にいったからかとても気持ちのよい気候だったけれど、やや混んでいた。あと、5月に行くときはいくつかの場所はすでに禁漁期間に入ってしまうので注意。

何が採れるのか

  • かき (Oyster)
    • 日本ではあまり潮干狩りの対象の貝ではないけれど、ワシントン州では潮干狩りで狙うかなりメジャーな対象である。砂浜にいっぱいいるのでその場で開けて中身だけ持ち帰る。ひとり1日18個まで。大きさは2 1/2 in (だいたい6.3cm)以上のみオーケー。

  • あさり(Manila Littleneck Clam またはNative Littleneck Clam)
    • いわゆるあさりである。日本のあさりととても似ているが、サイズが大きい。だいたい日本のあさりの1.5-2倍くらいの大きさがあるのではないだろうか。あさりは1日1人40個まで。活発に動き砂と塩をよく吐くので、砂があまり残らずとてもおいしい。大きさは1 1/2 in (3.8cm)以上が持ち帰りオーケー。

  • バタークラム (Butter Clam)
    • 巨大なあさりみたいなやつ。10cmくらいある。これはクラムチャウダーにするのに適しており、大きいので採ったときに達成感がある。ただし採るのは大変で、30-50cmくらい掘らないといけない。掘るのに適していない土壌とか、水が湧いてくるタイプの土壌では非常に難易度が高い。制限個数はあさりと合わせて40個。

  • Varnish Clam
    • 日本で言うところのシジミを2-3倍にしたような貝である。この貝は動きが遅く全然砂を履いてくれないので相当気をつけて砂抜きしないと食べるときにじゃりっとする。

  • レーザークラム、グイダックなど
    • 大物であり特別それを狙いに行かないととれない。レーザークラムはおいしいらしいけれど、解禁になる時期およびビーチがほんとにピンポイントなので、狙いに行かないとかなり採りにくい。レーザークラムを掘るクラムガンというものを買う必要があるらしい。場所も、Puget Soundではなく太平洋であり、シアトルから3時間くらいかかる。
    • 同僚のアメリカ人、およびオレゴンの友人の2人がレーザークラムの経験者だったので聴いてみた。レーザークラムの採り方は、まず(1)穴が開いていて地下にレーザークラムがいるところ探し、(2)勢いよく掘る。勢いをつけるとスコップでレーザークラムの殻を割ってしまうことがあるので、穴のすこし横から掘り出すのがよい。(3)貝を手で掴む。レーザークラムは潜る力が強く、引っ張っておかないとどんどん下に潜ってしまうのでスピード勝負である。(4)貝の大きさを手の感触で把握する。貝を引っ張り出してしまったら持ち帰り対象(個数限定)になるので、大きいのを持って帰るためには手でその大きさを判断して小さいやつは諦めるのがいいらしい。

持ち物リスト

  • 軍手
    • 牡蠣をあけるときに必須。軍手をつけていないと牡蠣のゴツゴツした殻で容易に手を切る。牡蠣にはフジツボとかカメノテとかもついていて、そいつらも同じく尖っていて危険である。
  • オイスターナイフ
    • 牡蠣をこじあげるのに必須。いろいろなタイプが売っているが、とりあえず何かあればよいと思う。上手い人は家庭用のナイフとかでもいけるとかもしれないが、個人的には無理だった。買って損しない
  • スコップまたは熊手
    • 雪かきに使うような巨大なスコップがあると効率よく穴を掘れる。バタークラムを狙うときなどに必須。小さめのスコップもあると対あさりように便利。現地に無数に落ちている牡蠣殻を使って掘ることもできる。我が家ではカナダ旅行の際の雪かきのために買ったスコップを使っている。
    • でかい熊手を使っている人たちも多い。アサリ対策にはよさそう。
  • バケツ
    • 人数分必要である。ワシントン州魚類・野生動物局によれば、ひとりひとり違うバケツで摂る必要があるとのこと。1日あたりのリミットが1人ずつ決められているため。
  • タッパー的な容器
    • 剥いた牡蠣をいれる容器。ジップロックみたいなものでもいいかもしれない。
  • 免許 (License)
    • Shellfish and Seaweedライセンスというのを事前に買っておく必要がある。これがないと免許なしで密漁していることになり罰則があるらしい。密漁取り締まりの人も現地にいる。取り締まりの人と1回話したときは、あさりを見せて、ちゃんと牡蠣は殻から採ったかとかを聞かれた。税込みでひとり17ドル程度で1年間有効。1回しか行かない自信がある人は1日券もあり、それは10ドル程度。
    • どちらもネットで購入でき、1週間ほど待つと郵便で送られてくる。郵送を待っている間はテンポラリーライセンスを印刷して持っておけばOK。
    • ちなみにイカも同じShellfishというジャンルであるため、イカ釣りもできる。シアトルのイカ釣りは11月くらいが本番である。
  • Discover Pass
    • ワシントン州の州立公園の入場券である。30ドルだか35ドルとかで購入でき、1年間有効。ネットで購入して車のRearviewミラーの根本につけておく。これも郵送を待っている間はテンポラリーライセンスを印刷しておけばOK。
    • 州立公園ではないところで貝を掘る人はなくてもよい。ただ、州立公園以外はほとんど私有地なので事実上は難しい。
  • クーラーボックス
    • 牡蠣が腐らないよう。
    • 飲む水と手を洗う水、それからオイスターナイフを洗う水があるとよい。オイスターナイフに砂とか牡蠣殻のかけらとかがついているとそれに牡蠣がついてしまうので、それを洗い流す。
  • 帽子
    • 日が照っているとまぶしいので
  • 定規またはGo/Nogoゲージ
    • あさりや牡蠣のサイズを測るために必要。小さなあさりは日本の感覚では持ち帰りたくなるが、持ち帰ったのがばれると怒られるし、保護のためにもサイズを測る必要がある。定規だとわかりにくいので、Go/Nogoゲージを作っていくのが効率的にはおすすめである。
  • ライムと塩
    • 生えている牡蠣をあけてその場でそのまま食べるときの味付け。辛いのが好きな人はタバスコとか持っていってもいいかもしれない。
  • おやつ
    • 結構時間がかかるのでおやつを持っていくとよい。

どこで採れるのか

Puget Soundにはたくさんの潮干狩りができるスポットがある。我が家がいったのは下記2つ。

  • Wolfe Property State Park/Shine Tidelands State Park
    • この2つは違う名前だが隣の公園であり、ほぼ同じ位置である。アサリ、カキ、バタークラムなどが採れる。ここは3月に2回行って5月にも行こうかと思っていたが5月15日から今年は禁漁期間に入るとのこと。また、ここは海に浮かぶ橋”Hood Canal Floating Bridge”の微妙に外側であり、牡蠣を開けてその場で食べる生牡蠣を楽しみたい場合は、ここがよい。
    • Floading Bridgeより内側はビブリオ菌のリスクが上がるため生牡蠣は非推奨とのこと。
    • シアトルから1時間半程度で到着する。
    • Shine Tidelandsにはトイレがあるが、Wolfe Propertyにはトイレがない。この2つは近いとはいえ距離があるので、Shine Tidelandsで先にトイレをすましておくのも手である。貝自体はWolfe Propertyのほうが圧倒的に多い。

  • Dosewallips State Park
    • 5月に訪れた。アサリとカキが採れる。バタークラムや他のでかい貝ももしかしたら採れるのかもしれないが道具がないと厳しいであろう。粘土っぽいところと、石と砂が混じっているところと、牡蠣が主に生えているところなど土壌が場所によって違う。
    • 風景がよい。オリンピック半島の高い山や干潟の草地など広大である。
    • カニや巻き貝もたくさんいる。ハゼみたいな魚もたくさん泳いでいる。
    • シアトルから2時間+αくらいかかる。
    • トイレが駐車場にある。ただし駐車場から海岸まで干潮のときは10分くらい歩くため、トイレに戻ると20分程度ロスする。

どうやって行くのか

車で行く場合、I-5を南下し、タコマから北上してBremertonなどを経由し現地に至る。注意したいのは、タコマからキットサップ半島にいくためにはTacoma Narrows Bridgeという有名な大きな橋を通らなければならないのだが、この橋は復路のみ有料である。行きは無料だが、帰りはお金がかかる。

車+フェリーで行くこともできる。SeattleのDowntown, West Seattle, Edmondsなどからフェリーがキットサップ半島や島などに向けて出ており、これでも行ける。必ずしも車より早いわけではない(フェリーも待ち時間があるため)が、フェリー自体はとても気持ちがよく運がよければアシカなども見えるので一度乗ってみる価値はある。乗っている時間は30分程度。

いつ行くのか

いつでもいけるが、冬は寒いのでつらいであろう。春が一番よいシーズンだと思う。3月も5月もどちらも良い季節であった。行こうと決心するのは当日ではいけない。日本の潮干狩り同様、干潮を狙っていくのがベストである。潮が満ちてきたとしても落ちている牡蠣などは食べられるが、やはり干潮のときに行くのがベストである。潮はtides.netなどいくつかのサイトで調べることができるので、あらかじめよさそうな時間に干潮が来る休日を探しておくとよい。

何にして食べるのか

下記は試した。クラムチャウダーが個人的にはかなり好きである。

  • あさりの酒蒸し
  • ボンゴレ・ビアンコ
  • あさりの味噌汁
  • 焼きあさり
  • クラムチャウダー
  • カキフライ
  • アヒージョ

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