ワシントン州で無保険でも予防接種を打ってきた (2024年)

日紀

今年もインフルエンザのワクチンのシーズンがやってきた。近年は新型コロナウイルスも同じ時期に打つように推奨されている。CDC(米国疾病予防管理センター)のウェブサイトを見ると新型コロナウイルスのワクチンについては次のように書いてある。

  • 月齢6ヶ月以上の全ての人は、2024-2025シーズンのCovid-19ワクチン接種が推奨されます
  • Covid-19ワクチンは重症化、入院、死亡のリスクを軽減します
  • 65歳以上の人は特に重症化リスクが高いので、接種を強く推奨します
  • ワクチンの効果は時間が経つにつれて薄れるので、いままでワクチンを打ったことのある人でも、再度最新のワクチンを接種することが推奨されます

インフルエンザについては次のようにある。

  • 月齢6ヶ月以上の全ての人は、ワクチン接種が推奨されます

というわけで生後半年以上ならば誰でも打ったほうが、リスクをベネフィットが上回る。そのため、会社勤めで健康保険を持っていれば大体のパターンでこれらの予防接種は無料(というよりは健康保険料に含まれる)。ただし、我が家は無保険のため、10割負担になってしまう。

昨年度はBridge Access Programという米国政府のプログラムがあって、Covid-19については無料でワクチンを受けることができた。しかし、今年は共和党の反対によりこのプログラムがなくなってしまったため、無保険の人(全米で8%程度いる)は実費負担になってしまった。実費の場合、最も安価にワクチンが受けられるCostcoでも、インフルエンザワクチンは$19.99ドル (3000円程度)、コロナのワクチンは$139.99ドル (21000円程度)の費用がかかる。ちょっと高いので何とかならないかなと考えていた。

ワシントン州の補助がないかなと思って調べてみると、Adult Vaccine Programというのがある。これは、ワシントン州がワクチンを医療機関に無料で提供し、医療機関は手数料のみで予防接種を行ってくれるというシステムのようだ。医療機関についてはProvider Mapを見てねと書いてあるのだが、これが2年前くらいの情報しか書いておらず、実際にやっているのかよくわからないシステムだった。

そこで、連絡してみたところ、Care A Vanというシステムがあるよと教えてくれた。これはどうやら無料で予防接種をやってくれるサービスを派遣しているものらしく、この予防接種シーズンはところどころで実施しているようだ。調べてみると毎日のようにワシントン州中のいろいろな会場で予防接種を実施していた。

そのうちのよさそうな日程・場所を調べて予約した。この際に注意すべきなのは、基本的に貧困者向けサービスなためか、治安の悪い場所で予防接種が行われていることが多いことだ。会場自体は問題なくとも、車を停めたり車から歩いていく途中に麻薬中毒者がたむろっている場所は避けたほうがよい。そういう意味では土地勘のあるとこを予約するのがお勧め。

予約は午後6時だったのでその10分前程度に到着した。インターネットであらかじめ登録しておいたのでそれを受け付けの人に伝え、生年月日や氏名、今日は何の予防接種を打ちたいかなどを伝える。この日、息子の誕生日を間違えて入力していたのでそれを修正してもらった。また、予防接種は新型コロナウイルスとインフルエンザの2つを打ってもらうことにした。新型コロナウイルスはファイザーとモデルナどっちにする?と聞かれたがどっちでもいいなと思った。受付の人は総じて親切なおばちゃんで好印象だった。

しばらくパイプ椅子に座って待ち、5分程度で順番がきた。息子→妻→自分の順番で接種してもらった。接種担当の看護師さんは一人しかいないので目の前で打たれているのを待つことになる。息子に聞いたらインフルエンザのほうが痛かったと言っていたが、妻はコロナのほうが痛かったと言っていた。自分はどうかなと思ったが看護師が超速で即座に2発打ったのであまりどちらも強い印象がなくあっという間に終わった。日本に比べてアメリカの看護師・医者は注射を打つ速度がすごく速いなといつも思う。迷いがない。

接種した人にはいろんなプレゼントがあり、コロナ検査キットやチョコレートマフィンやパンプキンマフィン、ペットボトルの水や軽食などをいろいろもらうことができた。無料で打っていろいろくれるのだからお得である。

次の日は今まで通り少し微熱気味になったが、その次の日は普通の体調に戻っていた。アメリカの健康保険制度はよく批判対象になるが、ある程度都市部に住んでいる貧困者層にとっては日本よりよいパターンがあるなと思った。

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