この文書は特にまとまった結論を出すタイプのものではなくて、単に思ったことを箇条書きでまとめるだけのものだ。つまり単なる日記であり、特定の党に対する強い思いは特にない。
- 今回の1つの争点が裏金問題になったのはとても残念だった。もちろん政治資金は全て透明化されている方がよい。しかし、例えば裏金問題が全く存在しない政治になったとしても、日本の衰退、少子高齢化、社会保障費の増大、安全保障環境の厳しさなどの大きな問題は何一つ解決しない。つまりすごく些細な話であり、個人的には10万円の未記載があっても、社会保障費の増大に歯止めをかけたり、日本からイノベーションが起こるような諸制度を整えたりしてくれる政治家がいれば完全に支持する。考え方が功利主義的なんだろうが、裏金問題はなんというか家の掃除が完璧にできていないことを指摘する姑みたいに見える。全ての候補者がもっと大きな、滅びゆく日本に歯止めをかける話をして欲しかった
- 中学生のときから国会中継をみるのが好きで政治に興味があったのだが、いままで特に支持政党と言うのはなかった。なぜかというと、やってほしい政策と政党が一致しないからである。例えば安全保障に関して、たぶん一番マシなのは自民党だろう。石破さんの安全保障政策はかなり懐疑的でいまいちだが、立憲の野田さんはまた鳩山さんと同じように、辺野古移転を中止すると言っていて破滅的で厳しいものがある。「最低でも県外」という伝説の一言を思い出す。一方で、イノベーションが起きない限り日本の未来は暗く、アベノミクスも結局第三の矢が失敗し、自民党はそこまで成果が出せなかった。金銭解雇の導入やエグゼンプトワーカーの導入、地方への権限移譲などいろいろできることはありそうなのだが、既存システムとの対立が多く政策が実現しない。その点では自民党がいいなとは思えない。
- 一方で、政治家は日本の一般庶民の鏡だなと思う。日本の組織や個人は他の国に比べて極端に個人や組織の情報が公開されるのを嫌がる傾向にある。それが結局政治の世界にも反映されているんだろうなと思う。自治体や学校、会社レベルでももっと情報公開が進む世の中にしないと、なかなか一部の人だけに情報公開を課すのは難しいんじゃないだろうか。
- 今回いいなと思っていたのは玉木さんだった。リハックを見ていて一番まともだったのが玉木さんだったからだ。必ずしも国民民主党が主張する減税(103万の壁の改善)が日本を救うとは思えないし、ガソリン減税もそこまで必要なのかなと思う一方、それでも全ての党の中で最もよく見えた。敵や味方、批判という観点ではなく、正しい政策をなるべく通すという方針がとてもまともに見えたからだ。国民民主党の弱点は玉木さんのワントップ体制であること、小さい政党なのでまとまりやすいが組織が大きくなると様々な問題が起きてきてそれをまとめられるかというところか。会社でも何かのクラブでも、人数が多くなってくると人数が少ない時には顕在化しなかった問題が出てきて、中間管理職的なポジションも必要になり、意見も多様になってきて最終的に崩壊に向かう。そういう意味では小さい党のほうがまともなことを言ってまともな政策をまとまって出せるというのは、それがやりやすい環境であるというアドバンテージがあるからということもあるだろう。
- 大阪の小選挙区を見たらほぼすべての選挙区で維新の候補が優勢と書かれていた。逆に大阪以外では維新が小選挙区で勝つところはほとんど存在しない。この分断はすごいなと思う。大阪以外では自民党と立憲が競っている選挙区がほとんどである。
- シアトルで暮らしている時間が、合計5年を超えた。日本を離れてみると思うことがいろいろあるが、その一つはなぜ日本では地方から産業が生まれないのだろう、それをどうやって解決できるんだろう、ということだ。シアトルはアマゾン、マイクロソフト、コストコ、スターバックスなど世界有数の企業がここ数十年の間に生まれている。これにより賃金がとんでもなく上がり、家賃もとんでもなく上がり、家もどんどん建設され、もともといた地元の人の暮らしが苦しくなったり、貧富の差がとんでもなく広がったりしている。毎年新しいものが増え、新しい人が増え、どんどん拡大成長している。
- シアトルは全然大都市ではない。都市圏ランキングでは全米15位。日本だと15位は熊本都市圏とか宇都宮都市圏とかだ。なぜアマゾンがシアトルで生まれ熊本にも浸透したのか、逆に言えばなぜ熊本でアマゾンが生まれてシアトルを制覇しなかったのか、それがずっと考えている疑問である。「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイヤモンド)では、なぜヨーロッパがアフリカを支配し新大陸を侵略したのであって、アメリカ先住民がユーラシアに攻め入って滅ぼすことにならなかったのかという疑問を元に論を展開していくが、その問いのだいぶしょぼい番という感じの問いだ。田舎度で言えば同じくらいなのになあ、という素朴な思いがある。この問いを解決して日本にイノベーションが起こるような環境が生まれる政治がなされるといいなと思う。
- 選挙特番が楽しみだ。Tverを使えばVPNを使えば、日曜の朝に起きれば夜12時あたりの大体情勢が決まってきたところを見れるであろう
- シアトルではシアトル領事館に行けば衆院選に参加できる。日本に投票用紙を封筒で送るという伝統システムであるのが曲者だが、それでも参加できるのはありがたい。この前、アマゾンの駐車場(休日は無料)に車を停めていってきた。そこそこ賑わっていた。やはり自分で投票すると、結果が気になるものだ。競馬に近い。
- 反ワクや陰謀論を唱えている人が政治に増えていくのは残念だ。参政党、れいわ、立憲(一部)、日本保守党あたりか。アメリカでもいま大統領選をやっていて、トランプの陰謀論を聞くのがつらい日々である。
- 激戦区の様子を見るのは単純に面白い。和歌山2区とか。選挙の背後の人間関係とか歴史を知ることで途端にドラマチックになる。落ちたら無職というスリルもいいのだろう。
今日は明日を楽しみに早く寝よう。シアトル時間の夜12時でも日本時間午後4時なのでまだ選挙中である。
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