2018年にもアメリカで大腸内視鏡検査を受けた。そのことは記事に書いてある。昨年受けた人間ドックで同じように引っかかったので今回もまた大腸内視鏡検査を受けることになった。またしてもアメリカである。前回もやったので今回は前回よりもだいぶ気持ちが楽だった。
まずは大腸内視鏡検査をやってもらう専門医にアクセスするために普通の家庭医に行った。10月28日である。そこで問診や血液検査などをやって、いろいろ話した結果、大腸内視鏡検査をやったほうがいいかなということになった。血液検査は8月に人間ドックでもやっていたのであまりやる必要がないように思えたが、とりあえずやっただけである。
大腸内視鏡検査の予約は1月7日に取れた。10月に医者にいって、1月の検査になったので、けっこう時間があいてしまった感があるが、アメリカの病院の予約は往々にしてかなり後になってしまう傾向にある。これにより、しばらくの間大腸内視鏡検査のことは忘れていた。
準備
年があけてから検査の準備をはじめた。必要な準備は次のとおり。
- 3日前: Low Fiber Dietをはじめる。野菜は基本的に食べられない。繊維が残りそうなものや固いものは食べられなくなる。
- 1日前: Clear Liquid Dietが始まる。食べていいのは透明な液体のみ。繊維が入っていないリンゴジュースなど。夜に下剤を2リットル飲む。
- 当日: あさイチはリンゴジュースなどはいいが、それを過ぎたらもう食べてはいけない。下剤の残りを2リットル飲む。
下剤など必要な薬を近くのBartell Drugに取りに行ったら、処方箋が来ていないと言われて揉める。すぐに医者に電話し、処方箋が来ていないと言われているのでもう一度処方箋を薬局に送ってくれと頼んだ。医者はいなかったようだが、受付か何かの人が対応してくれ、医者に連絡しておくと言っていた。この日に薬をもらえないと準備を間に合わせることが難しいため、アメリカ人のゆったりした動きだと厳しいだろうなと思っていたのだが、1時間くらいの間に処方箋が薬局に送られたらしく、薬局から準備できたとのテキストがきた。(アメリカにしては)素早い動きで感動した。
薬は3種類。
- 下剤4リットル
- ジメチコン(泡を消す)
- オンダンセトロン(吐き気を抑える)


下剤は合計4リットル飲まなければいけないため大変だが、これはまあ前回もやったので特に驚きはなかった。吐き気止めは結局、吐き気を催さなかったので使わなかった。ジメチコンは医者に言われたとおり飲んだ。
当日の流れ
当日は午前中は在宅勤務し、午後に病院へ。鎮静剤を投与するので、必ず車を運転できる人が付き添いで来なければならない。妻が付き添ってくれた。
今回の医者は同じくらいの年の男の人。全裸になり、後ろが裸になっているタイプの服を着てベッドに横たわる。比較的小さい病院なので、ベッドに寝てからガラガラ運ばれる距離も短かった。大腸内視鏡検査をやる場所は、前回はけっこう暗い部屋でやっていたが、今回は明るい部屋だった。医者が手術を始めますみたいなことをいろいろ言いながら始まっていた。ドラマとかドキュメンタリーみたいだなと思った。
鎮静剤の効果で意識レベルは下がっていたが、基本的にずっと起きていた。前回よりも意識レベルは高かった気がする。前回は時間がどのくらい経過したのかよくわからなかったが、今回はだいたい正確に時間を覚えていた。
大腸内視鏡検査が終わったあと、ぼーっとしながら医者の話を聞いたところ、ガンとかポリープとかそういうのは見つからなかったがInflammationがあって、Ulcerative colitis (UC)だと思うと言っていた。組織を一部採ったので、Pathlogy (病理) の結果を待てと言っていた。前回は特に何もないよと言われたので、今回は少し不安が残った。また、今日から治療のためのSuppositories (座薬) を始めてくださいというので、面倒なことになったなと思った。
その後の経過
Pathlogyの結果、ガンとかそういうのは見つからなかったよと連絡がきた。これはまあ大丈夫だろうと言っていたので一安心である。
座薬を始めることになったのでちょっと面倒だなと思った。座薬は5-ASA製剤と呼ばれるやつで、炎症を抑えるのに効果があるらしい。薬は別にいいのだが座薬は自分で入れたことがなかったのではじめ抵抗があった。慣れたら意外と何とかなるもので、自分の体をよく知るいい機会になったなと思っている。

大腸内視鏡検査が終わって1週間くらいはひどい頭痛と吐き気が続いていて体調がかなり厳しかった。これはおそらく鎮静剤の副作用によるものだろう。大腸内視鏡検査中に使われた薬はナースノートによると下記のとおり。
- Versed IVP: Total 4mg
- Fentanyl IVP: Total 100mcg
Versedは日本でいうとミダゾラムというベンゾジアゼピン系鎮痛薬、Fentanylは有名な合成オピオイドである。これらは要はよくきく麻薬であるため、副作用もけっこうあるのだろう。麻薬中毒者が麻薬が切れたときに感じるつらい気持ちを体験できたのはよかった。個人的には痛みにはけっこう耐えられる自信があるので、この副作用を体験すると考えると、もう少し弱い鎮痛薬になったらいいなと思った。
検査後2か月半たって、医者の問診を受けに行った。もともと特に自覚症状もなかったし、座薬も効いてるかどうかわからんと伝えたら、じゃあもうやらなくてもいいかなという話になった。医者がいうには、(1) 座薬を止めてみて様子を見る, (2) 座薬はとりあえず続けておく(副作用も少ないため)のどちらでもいいんじゃないかと言っていた。なので、とりあえずやめて様子を見ることにし、3か月たったらもう一度検便をして結果を見てみようということになった。
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