君の名は、を見てきて思ったこと

三連休の初日、土曜日の夜に、映画を見に行った。夜はこどもも寝ているし、料金も安いしで一石二鳥だ。新海誠監督の君の名は、をここ数週間みたいなと思っていたのだけれど、いけず仕舞いだった。興行収入がすごいぞとか、いままでの新海誠ファン向けじゃないとか、いやいややっぱりストーリーもいいんだとか、いろんな批評が漏れ聞こえてきていたけれどなるべく耳を塞いで聞かないようにしていた。話を知ってることほどつまらないことはないからだ。

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一方で、やはり噂は気になっていた。新海誠監督の作品は、「ほしのこえ」、「雲のむこう、約束の場所」、「秒速5センチメートル」の3つは過去に見ていた。現実をより現実らしく、美しすぎる風景に呑み込まれる一方、どうしようもない中二感を強烈に発している作品たちだ。このなかだとほしのこえが一番いいかなとか思っていた。最近のは見てないのでよくわからない。

以下はネタバレを含む。

箇条書きで感想を書く。主に俺個人とこの映画がどうリンクしたか、ということについてだ。

  • 新宿の懐かしさ

瀧くんが通っている高校は「都立神宮高校」と書いてあった。そして、瀧くんの通う風景とか周りの景色は完全に新宿界隈だった。俺の卒業した高校はまさに新宿にあり、たぶんこの神宮高校は青山高校/國學院高校あたりの位置なのかなという感じだが、どちらも部活のトレーニングで走っていたような場所だ。その懐かしい新宿を、新海誠の美しい背景で描いてあったことに、まず個人的に心が動いた。まさに俺にとっての高校リアルだ。新宿はどんどん変わっていくため、そもそも最近はたまにしかいかない南口が急激に変わっていっていて映画の中のほうが実際の景色を見るより先になっていたけれど。

  • 三葉の方言

この方言がどこのものなのかは全然わからなかったけれど、たまにとても懐かしい言葉を話すなと思った。たぶん、金沢弁といくつか共通点がある言葉をしゃべっていて、それが懐かしく感じたんだろうと思う。隕石が落ちた場所を指し示す地図から察するに、飛騨高山地方のようだった。もう話せない言葉のリスニングだけできるのは不思議な現象だ。

  • 風景の美しさ

風景は、比類なき美しさだった。特に好きだったのは、一葉・三葉・四葉の3人で御神体のある山に向かう途中の紅葉。真っ赤なもみじが重なって、ずっとそれだけ見ていたいような景色だった。それから、隕石が砕け散って降り注ぐのはとても美しかった。あれを最後に見て死ぬのであれば、それほど死に方としては悪くないんじゃないだろうか、とか思ってしまった。実際にあれが起きたらああいう風に見えるのか、とかはかなりあやしそうだけれど。

  • 夢について

夢って不思議で、起きてすぐにはまだ夢の中にいるようなのに、少ししたら本当に何も思い出せなくなってしまう。夢日記を書いたらいいのだろうけれど。夢の内容をすぐに忘れてしまうということがとてもリアルだった。自分と同一化していて、長い時間を交互に共有して、最後に会えた人の名前をなんで忘れちゃうのかな、と一瞬思いつつも、やっぱり夢だからそうなるべきなんだなと思う。

  • ラストシーンについて

最後の最後で三葉と瀧は、お互い名前も忘れてしまった夢であったのにも関わらず、階段を通りすぎずに声をかけた。衝撃だった。秒速5センチメートルなどではこういうハッピーエンドとは真逆の方向に突っ走っていたので。こういうところは、中二な新海誠が好きな層には気に入らないかもしれないなと思った。でも俺はこの続きをまだ見たいと思ったので、むしろこの終わり方のほうがよかった。一方、御神体の山で、黄昏時だけ出会えたのは本当によかった。この二人が出会えますように、と自分でも気づかなかったけれど思っていたんだと思う。

  • 思い出した共通点

名前を思い出せなくなるのは「千と千尋の神隠し」を思い出した。相手の名前と自分の名前で違うけれど。最後のシーンはまさに「秒速5センチメートル」を思い出させた。御神体の石があるエリアの周りが水で囲われているのは、「もののけ姫」のシシ神のいる場所を思い起こさせた。

  • RADWIMPSの歌

この映画を自分が見る前にはなるべく予習をしないようにしようと決めていた。だけど、RADWIMPSの歌だけは聞いても大丈夫だろうと思っていたので、何回も聞いていた。なのでもはや覚えているくらいの状態で映画を見に行った。普通、映画の主題歌というとエンドロールのみに流れて、「なんだここだけか」とか思うもの。この映画ではまさにRADの歌がキーになっており、いくつかの箇所でできていた。もう10年以上RADWIMPSを聞いていて好きなのでこの演出は胸にきた。

  • まとめ

見に行ってよかった。満たされた。想像を超えていたし、美しい世界だった。すでにまた見たくなっている。シン・ゴジラを見た時にもまた見たいと思ったが、この映画もまた見たい。というか発売されたら買いたい。発売されたときには違うことを思っているかもしれないけれど。そういえば、口噛み酒はちゃんとアルコール発酵していたのだろうかがちょっと気になった。見た目からすると雑菌に負ける確率も結構ありそう。瀧くんが飲んだ味はどうだったんだろう。

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