オレゴンのどこに行きたいかを考えたときに、浮かんできたのはオレゴンコーストだった。オレゴンコーストは風光明媚なところらしいという話を半年前くらいに聞いてからすこし気になっていたのだった。そんなことをたかふさんと話し、行ってみようということになった。調べてみると、オレゴンコーストでいろいろありそうなのは、たかふさんの家から西に進んで海に出たあたりより、もうすこしワシントン州よりということが分かった。
あまりそういうことは気にせずに、夏だし、海に向かうことにした。どこだってオレゴン州の海であればオレゴンコーストである。海までは60マイルすこし、1時間すこしの距離だ。道中、森の中をひたすら進む中で、川沿いに出た。たかふさんによると川沿いは金持ちの家とその船着き場に占拠されているらしい。シアトルでは湖沿いは金持ちの船着き場に占拠されているので、それと同じだ。たかふさんのオレゴン大学はカモだかアヒルだかがマスコットらしいが、一方でオレゴン州立大学のマスコットはビーバーらしく、オレゴンの川にはビーバーがいるのではないかと思ってチラ見をしていたがとうとうビーバーは見つけられなかった。いまでもビーバーは生息しているのだろうか。
海辺に出て、とりあえず適当にナビにセットしておいたHeceta Beachというところに到着した。夏らしい気持ちのよい強烈な日差しを期待して車を停めて外に出てみるとめちゃくちゃ強い風が吹いていた。日差しはたしかに強いのだけれど、それを完全にかき消す勢いで風が強く、半そでではとてもじゃないが長くいられない寒さだ。海岸線が遥か遠くまで続いており、海までの砂浜の長さだけでもサッカー場より広い。広大だった。
太平洋を流れてきたのか流木が堆積している
ビーチの注意事項。日本ではあまり見なさそうなものとして、海生哺乳類を邪魔してはいけませんとかいてあるものとか、流木注意とか。
遠くまでずっと海である
海まで歩いて、砂山に登ったりしてから戻ってきて、近くのフレッドメイヤーに向かった。ここで昼ご飯を調達し、このスーパーの後ろにある砂漠で食べようと考えていた。このフレッドメイヤーはいろいろ売っており、砂漠用のソリとか、車で音楽を聴くためのステレオミニプラグのラインとか、映画を大画面で見るためのChromecastを買ったりした。
たかふさんが持っているのはJuly 4thの記念のケーキ。アメリカのこういうケーキはたいていちょっとしょっぱい。上に乗っている絵みたいな部分も可食部。
昼ご飯に食べた肉。ここで包丁も買ったのでよいナイフとなった。このお肉はおいしかった。このほか、トマト、オリーブ、スピナッチなども食べた。なぜ車で食べていたかというと、外は例によって猛烈な風だったからだ。
食べ終わってから砂漠に繰り出した。
こんな感じの砂漠が、結構広大なエリアに渡って広がっていた。
たかふさんは、Windowsの壁紙みたいなところに来てしまったと言っていた。たしかにその表現がぴったりの、まさにこれぞ砂漠という感じの砂漠である。ものすごい暴風が吹いていたので、体全体にすごい勢いで砂漠から跳ね上がった砂があたるのが曲者だったが、景色は圧巻だった。
砂漠でソリで頑張って遊ぼうとするたかふ。しかしこのソリは期待ほど砂漠と相性がよくなく、砂嵐にまみれながら、砂に足を取られて全然前に進めない中ソリで遊ぶのはかなりの精神力を必要とした。ソリで滑ると、ソリの前に砂が溜まるのでソリの速度が徐々に落ちていく。ソリで遊ぶための労力が100だとしたら、滑っている間の楽しさは3くらいだ。ほぼすべて辛い気持ちが支配してくる遊びだった。
砂漠の途中にはオアシスもあった。
左のほうに見えるのがオアシス
オアシスの横でソリをもっている探検隊
基本的に砂漠には足跡で自分がどこを歩いてきたかがわかる。雪原のようだ。
砂漠を2時間弱探検したあと、車を停めた場所に戻ろうとしたら迷い、駐車場を通り越して結構先までいってしまった。それほど大きくない砂漠でもこの調子だろうから、本当の砂漠ではいとも簡単に迷って遭難するだろうと感じた。迷った道を引き返し、このなきを得た。
猛烈な砂嵐の中2時間弱も歩いたので、全身ぐったり疲れていた。けれどももうすこしオレゴンコーストを旅してみようということで、Sea Lion Cavesというところにいってみた。残念ながらシーライオンを見る施設はすでに閉館時間だったが、海岸線の景色はすばらしかった。シーライオンは臭いことだけは分かった。車で帰る帰りにくつかの景色がよさそうなところで停まって海を眺めた。
Sea Lion Cavesの前で彼方にある灯台を見る
Sea Lion Cavesの入り口
遥か彼方まで海が続いている
オレゴンコーストの様子。写真だと伝わりにくいが、目で見えないところまで海岸線が連なっている。海のほうは雨雲で暗くなっており、しばらくしたら雨が降りそうだった。
それからたかふさんちに帰り、焼きそばを作って食べた。はじめ、焼きそばをラーメンの麺として食べたらおいしいのではないかと思ってラーメンの汁にいれてみたが、ラーメンの麺から腰という概念を消し去ったような味だったので、普通に焼きそばを作ることになったものだ。ひたすら広がるオレゴンコーストを体験できて、砂の辛さがわかってすばらしい一日だった。シャワーを浴びたが砂が体中の穴に詰まっており、なかなか取れないのが曲者だった。
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