2010年 8月 の投稿一覧

死ぬということ

昔から映画でも本でも、恋とかの話では泣かないし、怖くて泣くこともない。現実世界のことでも、もの心ついてからはどんなに暗い夜の道でも、お化け屋敷でも、失恋しても、自分が乗った人力飛行機がその役目を終えられず堕ちても(これはあとでは泣いた気がするけど)、体力的に辛すぎることでも、そういうことであまりすぐには感情が動かなくなっていた。

もちろん悲しいとか寂しいとかすごく思うけれど、それ自体ではすぐに実感ができないんだろうなと自分で思う。それがどういうことかを頭で考えて、たしかにそれは怖かったり、失ったものの大きさに気づいたりして悲しくなったりするのだけれど、それはややありのままの感情からは離れている気がする。

そんな中で、弱点なのが人が死ぬということ。映画だったら一番弱いのは自己犠牲の話だと思う。誰だって自分が死ぬことは一番厭なのに、陽気に自分の身を呈して死んでいってしまう話とか。インデペンデンス・デイなんて勢いでもっていってるアメリカ映画だけど、あのアル中のオヤジが宇宙人の要塞みたいなのに突っ込むのはかっこよすぎて泣いてしまう。遊就館に行って、特攻隊の人の遺書を読むのにも弱い。この人たちがいたから今の自分がいるんだなと感謝する。

それから人が死ぬのがわかりながら逝ってしまう話。この前読んだリリー・フランキーの「オカンとボクと、時々、オトン」。ティピカルなもので泣く奴だなって思うかもしれないけれどびっくりするくらい泣いてしまった。何か脳からの涙じゃなくてまるで脊髄反射のように。身近な人は永遠にそこにいるわけではないという普段忘れている現実。もっとこうすればよかった、ああすればよかった、と後悔する。

昨日、映画監督の今敏さんが亡くなった。その遺書が公開されていた(つながりにくいかもしれないから、転載してあるところで見るか後で見るかしたほうがいいかもしれない)。

http://konstone.s-kon.net/modules/notebook/archives/565

全く知り合いでも友達でもないし、境遇も全然違うのだけれど、これを読んでいて研究室なのに泣いてしまった。まわりは学会の予稿の締切り近くでパソコンに向かって書いている人たちで、かっこ悪くてしょうがないので頑張って隠した。涙を拭いて飛行機について書いた。

好きな漫画に「火の鳥」がある。小学生、中学生くらいのときによく読んだ。このほとんどの物語の中の裏に横たわっているテーマは死生観。あるものは自分の墓を建てるためだけに生きて死に、あるものは一族の歴史を書くために生きて死ぬ。あるものは永遠の命を得て、ただ生きる。

やっぱり、人は何かを成すために生きるのだと思う。ただ寿命を伸ばすそれだけが重要じゃないはずだ。与えられた命は手段で、それをどう使うかということ。そんなことを改めて思った。今敏さんの遺書が心を揺さぶるのは、現実世界に残っているつながりが大きすぎるからだろう。

自分が死ぬときには、「ドキドキしてなんて楽しい一生だったんだろう、俺と関わったすべての人にありがとう」って言って死にたい。なんて思った。やばい早く原稿書かなくちゃ、卒業できなくなるー

飛行会いった

泣く子もだまるイケメンt_mania氏がやっていた、交流飛行会というのに行ってきた。全く関われてなかったけれど、ぜひ行ってみたいと思っていた人力飛行機のはじめての祭典。学会の原稿で忙しい、というのは単なる自分への言い訳なので言わないことにしよう。といいつつもそれはかなり迫ってきているけれど。

土曜の夜にuru_hの最寄り駅に集合して出発した。海老名に止まって水を飲み、さらに走って富士川へついた。駐車場のところにボランティアの方がいて誘導してくれてすごいな、と思った。むしろ申し訳ない気持ちが結構あった。

滑走路まで歩いていっていろんなチームの機体を見た。いろんな疑問を聞けて楽しかったし、何よりそこに機体があることがおもしろかった。見たままに質問ができて、それが飛ぶっていうのが楽しい。最初にもらった三面図もあるのがよかった。図面見ながらその実物を見るといろいろおもしろい。

それからチームごとのカラーとか、何をどのくらい慎重に行うかっていうところも全然違っていておもしろい。あるチームでは大事にしていて守っていることを全くやってなかったりする。そういう違いは普段は無意識の中なのですごいなと思う。

しかし夜ずっと歩き回っていたら夜が明けるころにものすごく眠たくなった。ので少し離れたところで15分くらい横になったら復活した。コンタクトを入れ、機体が飛ぶのを見た。安定性が大丈夫なのかなーと疑問なのはあまりその勇姿を見ることができなかったけれど。

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翼端のウィングレット

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人力飛行機見にきた物好きな人たち

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配信されていたashulaさん

記念写真を見たら、3つの人力飛行機をバックに物好きな人たちが集まった図がおもしろかった。普通、人力飛行機いっぱいのバックの写真というのはあんまりない。やっぱそういうのは楽しい。みんな共通点があるし、何も知らなくても技術を語ることはできる。というのがよかった。朝になったら非常に暑かった。帰ったらよく眠った。

北岳いってきた

北岳に行きたい、と日記に書いたら屈強なメンバが集まったので北岳に行ってきた。今から考えると前の日記のプランAは結構リアリティのあるいいプランだったなあと思った。ということで顛末を書こうと思う。

最終メンバ:てっちゃん、俺、しんぺーの3人 サポート → tkf@パリ + yamaD@東京

予定では12日の終電に乗っていく予定だったので、12日の昼にてっちゃんに連絡したところ、明日出発だと思っていたようだったので今日だよ、と連絡して自分はまた家で寝ていた。夜8時前に家を出て、新宿の100均で待ち合わせし、買い物をして京王線に乗る。

買ったものは、

  • チョコ2枚
  • あめ一袋
  • グレープフルーツ
  • スポーツドリンク1リットル×2
  • チョコチップパン×2
  • ジャムパン
  • ワンカップ200ml
  • ポテチ1筒

だった。行動食と朝ごはん、昼ごはんと予備用のものを入れてこんなものかなと思った。結論から言うと多かったけれどまあ後で食べられるし大丈夫かなーと思う。帰ってきてからおかし結構食べた。

装備は、

  • 一番安かった5000円の登山靴
  • デイパック
  • ハワイ土産速乾Tシャツ
  • ジーンズ
  • 長袖シャツ
  • ウインドブレーカ上下
  • 替えのTシャツ
  • 替えの速乾Tシャツ
  • 自転車のライト
  • 海パン
  • 金属製のコップ
  • コンパス
  • タオル
  • 食料

だった。どんな登山の本見ても記事見ても、綿パンは生存率を著しく下げる、と書いてあってジーパンはもっともダメなジャンルだったのだけれど、なかったので妥協した。怒られそうだけど。濡れたら乾かないのがダメなのだろうなと思った。もし天気が悪かったらあきらめるつもりだったので許してもらおうと思ってた。次どこかに上るときは乾きやすいのを買いたい。

事前に調べたところによると、一部登山道に雪渓が残っているが回避できるらしいのでアイゼンは持っていかなかった。ただ、7月とか6月とかだときっと必要なのかもしれない。

京王線で高尾まで行き、しんぺーと合流する。テンションが上がって写真撮ってビールで乾杯した。ワンカップは自主規制した。盛り上がっていたら甲府駅に日が変わってから到着し、歩き出した。

コンビニでカップ麺とシュークリームを買って食べた。その後、甲府城の公園みたいなところで4時前まで仮眠してバスに乗る。蚊が多いのが曲者だった。てっちゃんは健康のために納豆を4パック食べていた。納豆くさかった。1-2時間だけ屋外で仮眠する。

まだ暗い中、3時45分前にバス停に行ったところ、すでにかなり混んでいて座れなかった。しょうがないのでバスの床に座って仮眠していたけれど、道路ががちゃがちゃしているので結構振動がきてやばいなと思った。バスのおじさんが多少曲者だけれど気にしてもしょうがないなと思ってなるべく体力回復しようと思った。最後のほうで夜叉神峠で降りた人がいたのでちょっと座れた。甲府~広河原間は1900円+寄付金100円で2000円。寄付金はカットできるかもしれないけれど普通に払った。

バスに乗っている間に日が昇り、6時過ぎに広河原に到着。ここが登山口で、1500mくらい。靴紐を締めて、便所に行って、登山開始。他の人たちは用意が早かったので、俺らより先にもう登り始めているようだった。6時35分に登山を開始した、と後でしんぺーが言っていた。

最終的なルートは、

広河原~分岐点~白根御池小屋~二股~八本歯のコル~北岳山頂~北岳肩ノ小屋~白根御池小屋~広河原

だった。

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吊り橋を渡るしんぺー

大樺沢と白根御池小屋との分岐点まですぐに着き、大樺沢を選んだはずなのにいきなり白根御池小屋側の道に進んでしまった。道を間違えるとは・・と思いつつどっちにしろ辿りつけるのでどんどん進んだ。人をどんどん抜かして、自転車のトレーニングのように歩いた。久しぶりに心臓が悲鳴をあげてるなーと思った。

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歩く俺としんぺー photo by てっちゃん

なかなか急な傾斜で結構つらいなこれは・・と思っていたらそのうち白根御池小屋についた。てっちゃんは登り始めて15分ですでに「富士山は観光地、富士山とかゆとり」と連呼していたのが面白かった。小屋では湧水が無料で飲めるので結構飲んだ。ここまでの地図に書いてあった標準タイムが3時間5分、実質は1時間50分くらいで行けた。まだ体力があったからなせる技だった。

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小屋で休むしんぺー

そこから二股を目指して歩く。結構こちらから行くと下りメインで、ちょっと標高的にはもったいない気もした。結構花がいっぱい咲いていたけれど、何も調べていかなかったのでよくわからなかった。

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先を歩くしんぺーと花

そのうち雪渓が見える二股についた。多少休んでから、岩の道をどんどん登る。個人的にはここが一番つらかったような気がする。斜度が大きく、心臓がばくばく言っていた。アスリートのしんぺーは楽そうだった。てっちゃんは無言になっていた。

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沢の上の雪渓 photo by てっちゃん

途中で雪渓をどうしても横切らなければいけないところがあって、ストックもアイゼンもない俺らはちょっとびびりつつ歩いた。何の支柱もないし、靴の摩擦だけで雪の斜面を横切るのは結構びびる。てっちゃんは山猫のように慎重に歩いていた。滑落したら普通に死んじゃうなーと思っていたのでみんな滑らなくてよかった。

そこを超えたら急激に寒くなってきた。相当汗かいているような運動しているのに寒いので、長袖シャツを着た。ウインドブレーカも着ようかちょっと迷った。八本歯のコルのあたりまで来ると、はしごが連続する場所になった。はしごはそんなにつらくなかったけれど、てっちゃんはかなり限界そうに見えた

そこらへんからは横側にバットレスが見えた。バットレスは、岩を垂直に登る人たちが行くルートらしいけれど、山初心者な俺はあんなところにいくとは死にに行くようなもんだな・・と思った。実際、事故の記録とか見てると毎年登ってる途中滑落し、何人も死ぬようだった。

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恐怖の北岳バットレス。写真だと迫力が1/10000くらいになってるなあといま思った。

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はしご場。こういうはしごを両手両足使って登る。

はしご場を超えたらすごく気持ちの良い風の吹く尾根だった。多少ガスっていたけれど、景色きれいだしいままでの苦労が報われるような感じだった。尾根は登りだけじゃなく下りもあるので心肺的にも楽になった。

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間ノ岳?

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先を歩くしんぺーと尾根の道

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北岳山荘。北岳山荘にはいかなかったけれど、ヘリコプターがきてた。この尾根の道で滑落し、何人も命を落としているらしい

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途中でトリカブト見つけた。食べると死ぬ草なので興奮した。

そのうち頂上についた。かなりトイレに行きたかったけれどとりあえず我慢して登った覚えがある。頂上は結構人がいたけれど、まあそれなりだった。富士山が見えるかなーと思ったけどそこまで見えなかった。

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山頂から見えた甲斐駒ケ岳。

山頂で写真撮ってもらっておじさんに、「俺はデジカメ持ってないんで。。」って言ったら山行くのにデジカメないとはとても信じられない!って言われた。そんなこと言ったってお金ないし・・と思いながら携帯で撮ってもらった。

tkfさんの身代わりのワンカップといっしょに撮って満足し、北岳肩ノ小屋まで降りてきて、トイレに行ったりお湯を沸かしてカップ麺食ったりした。しんぺーが持ってきてくれたスターバックスのコーヒーはめっちゃおいしかった。感謝。

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北岳肩ノ小屋。トイレは下から風が来てすずしい

あと、広河原より前のバスの中からずっと使えなかった携帯が、山の稜線まで行ったら使えるようになった。てっちゃんのsoftbankは終始圏外だった。docomo強い・・。小屋から電話して帰りのバスの時間を聞いたらラストが5時らしい。時間的にはかなり余裕があった。

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そこからしばらく稜線上を歩いた。天気に恵まれてよかった

ハイマツやコケモモしか生えないような森林限界の景色がいいなあと思いながらの稜線の道は終了し、そこからまた草地の中の道になった。下りなので思いっきり飛ばして歩いた。白根御池小屋までは標準タイムの半分で到着した。ほとんどトレイルラン。

そのうち白根御池小屋に到着して、ちょっと水飲んで休憩してまたスタート。ここからがかなりつらかった。登りと違って心肺系は大丈夫なのだけど、脚がかなり限界に来ていて、筋肉がピクピクしていた。間違えなく3人の中で一番脚がへばってたと思う。なかなか着かないな・・とつらくなってきたところなんとか下に到着した。

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帰りの吊り橋

タイムは9時間だった。事前に立てた計画通りだなーと思った。次のバスは4時10分だというので、それまでグレープフルーツを食べたりアイス買って食べたりしていた。無事つけてよかったなーと思った。タイム的には1回1回の休憩時間を減らして、心肺系を鍛えれば7時間くらいまでいけそうだなあと思うけれどそれはかなりトレーニング目的になりそうだなと思う。

そのあと、バスに揺られて甲府まで帰り、ホルモン屋に行ってホルモン食べた。赤ダレがすごく焦げたけどおいしかった。5-10年くらい前の歌が流れていて懐かしさを感じつつ、ビールを飲んだ。

店を出てさらにコップ作りなどをしていたら終電がなくなり、一晩駅で寝てから次の日の始発で帰った。そこからOBミーティングに行き、さらにそのまま東京湾の花火に行き、とやっていたら殆ど寝ないままだったのでボーっとしていた。

山登りはつらいけど結構楽しいなと思う。しんぺーが、「来年は槍行きましょう」と言っていたので来年は槍に行こうかなと思った。冬季の登山も、まわりに誰もいなくて静かで一面の雪、というのが楽しそうだなと思うけれど、いまのままではかなりの高確率で遭難するので、いつか鍛えて行ってみたいなあと思う。