夏の終わりの18切符~金沢へいく1日目:9月2日~

id:oku0113が18切符を2枚持っていて売ってくれるというので、木曜のお昼過ぎに買いに行った。18切符がしかも安く手に入って嬉しくて、その日のうちに出発してしまおうかと思ったけれど今日出発すると時間がもったいないなと思ったので次の日に出発することにした。

金沢というのは直線距離のわりに電車で行きにくい場所。新潟まで行ってから日本海沿いに行くか、琵琶湖まで行って北上するかどちらか。どちらでも速くても鈍行だと11時間くらいかかっちゃう。ということで早く出発しなきゃ!と思って深夜の学校へ。

学校で仮眠しようと思っていたのだけれど、生活リズムが問題だったので眠ることができなかった。しょうがないけれど始発の時間になったので上野へ。いきなり間に合うか微妙になってきたので朝の不忍池の横を走った。なんとか間に合って上野発の高崎線に乗れた。

  • 5:13上野->6:55高崎:高崎線

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上野からの始発電車

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電車の中でパンにピーナツバターをつけて食べる

なんだか寒いなあと想いながら、アルジャーノンに花束をを読んでいた。チャーリイが変わっていく様子が如実に分かった。原文でどうなっているのかが気になった。

  • 7:10高崎->8:13水上:上越線

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オレンジ色の電車。心にググッとぐんま、と書いてあった。

上越線はこの次の長岡行きもそうなのだけれど、異様に冷房が寒かった。この時間の水上は涼しくて外でさえ冷房なんていらないくらいだったのに、これでもかと冷房がかかっていてガタガタ震えた。持っていた替えのTシャツとポロシャツを着て上着三枚着てみるもののまだ寒かった。

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水上駅。きれいなところだった。

  • 8:24水上->10:14宮内:上越線

途中でボックス席の前にポニーテールの白いワンピースを着た女の子が座った。その格好がすごく夏っぽくて、外は入道雲が見えていて晴れていていいなあと思った。宮内というところはid:oku0113がよく騒いでいる長岡の隣駅だった。ラーメン屋がおいしいと行っていたので行きたかったけれど時間がなかった。残念無念と思いながら次の電車に乗る。この駅は稲の匂いがして気持ちよくて懐かしかった。

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宮内にやってきた電車。

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宮内駅の電車がくる前

  • 10:24宮内->11:47直江津:信越本線

柏崎を過ぎたあたりから海が見えてとてもきれいだった。外が少し曇っていたのが少し曲者だった。ボックス席で前に座っていたおばあちゃんと海がきれいなことについて少し会話した。日本海を見たのはいつぶりだろう。

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直江津での電車

直江津でカップヌードルのシーフードを買って、電車の中で食べた。シーフードじゃなくて塩だと思い込んでたけどよく考えたらシーフードだなと後で思った。海が見える電車で、とても気持ちよかった。寂れた漁村で降りたかったけれどここで降りるとおしまいなので我慢。長距離移動すると途中で降りられなくなるのが曲者。

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食べたカップ麺

  • 12:08直江津->14:08富山:北陸本線

途中からJR西日本に変わる。この区間はのどかな地域で素敵だったけれどカップ麺食べたらめちゃくちゃ眠たくなってきて寝ていた。多少眠気がとれてよかった。

  • 14:13富山->15:29金沢:北陸本線

ここの間もものすごく眠たかったのでずっと寝ていた。気持ちよかった。たまに起きると地名が分かるようになっているのに気づく。北陸三県の地名は他の地域に比べてなじみがあるし読み方が分かるところもすごく多いのがおもしろい。自分では意識していないけれど。金沢に着く5分前に「アルジャーノンに花束を」を読み終わって電車内で泣いていた。

金沢に到着して、駅でレンタサイクルを借りた。駅からまず武家屋敷に走って行って、街並みを見た。車は適度にいたけれどそれなりに楽しかった。金沢城址が以外に広いなと思った。修復されたのかなと思いつつ。

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武家屋敷群

それから多少、記憶を便りに走っていって小学生のときに住んでいた場所に行った。15年前まで住んでいた我が家はまだ存在していた。隣の家もあった。通っていた小学校もあった。すべてがとても小さく見えたし、夕方の街と合わさってきれいだった。

でもそれは昔を思い出すことであって、昔に戻れるわけじゃないことを同時に思った。小学校への通学路なんて橋ひとつ、ドブひとつ、電信柱ひとつにすべて思い出が詰まっているような密度の場所。でもすべては思い出せないし、思い出せたとしても今の自分が過去の自分を見てるみたいで、昔どう思っていたかは思い出せない。

昔、ある先輩が「望郷の念は人の大きな大切な気持ちのひとつ、それを持っていない人は損をしている」と言っていた。たぶん道路と一緒になって、川の中の石に座って、そうしていたら多少は思い出すのだろうと思う。完全に思い出したら涙が出てきてしまうだろうな。懐かしさは時と場所が、もう戻れない哀しさが表しているのも大きいんだろうな。

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行っていた小学校。中に入ってみたかったけど自重した。

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昔につながる夕焼けの空。

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よく遊んだり釣りしたりしていた川。

その後は街のほうに戻ってなんとかネットを使って宿を見つけてホッとしてからご飯を食べて、ビールを飲んだ。ホテルに温泉がついていて、懐かしの金沢の黒いお湯で気持ちよかった。全国であの黒いぬるぬるする温泉が出ればいいのに。でもそうなったら楽しくないだろうけど。我が家よりいいベッドで寝られた。

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