家にはエアコンが2台あり、1台は10年前に購入したもの、もう1台は2年前に買ったものである。これらの掃除が十分にされていないことから業者に頼もうかという話になったのだが、ビーバーエアコンはマニアックで業者もそれほど経験がなさそうなこと、自分でやればお金が節約できること、経験を積んでおけば会社をクビなってもエアコン掃除業者にバイトで入れるかななどいろいろ思い、自分でやってみることにした。
YouTubeの時代であり、「エアコン 掃除」などで検索すればたくさん動画が出てくるので、上から10個くらい視ればなんとなくわかった気になることができた。その上で今回2台掃除をして分かったことがいろいろ出てきたので、来年の自分に向けてメモする。
準備するもの
ご家庭にあるものでよい、のだがいくつか専用に買ったほうが便利。
- バケツ
- 雑巾(マイクロファイバー)
- 脚立
- ゴミ袋(45リットル)1袋
- マスカーテープ
- 養生テープ
- 新聞紙(または床に敷く敷物)
- 加圧式霧吹き(ダイソーで売っている200円)
- ラジオペンチ
- プラスドライバー
- 掃除機
- 注ぎ口洗いブラシ(急須用)
- マスク
エアコンの掃除を行うにはいくつか機能が必要である。エアコンを分解する機能として、ラジオペンチ、プラスドライバーの2つである。ほとんどすべてネジ止めなのでプラスドライバーがあれば十分だが、今回分解した2台のうちの1台のルーバーはラジオペンチみたいなものがないと取れないツメがあった。
水洗いをするために、電装部品(アクチュエータやコンピュータ、配線等)を保護するためにマスキングをする機能の必要がある。これに使うのがゴミ袋+養生テープと、マスカーテープである。ゴミ袋+養生テープがあればすべて事足りるが、マスカーテープがあると時間をだいぶ節約できる。マスカーテープは今回はじめてつかったが、養生テープとゴミ袋が半々になっている不思議なテープで、マスキングに非常に便利。最近では病院などでコロナ区域を分けるのにも便利に使われているようだ。新聞紙は地面に置いておいて、水が飛んだ時に床に垂れないように使う。床が濡れてもよければなくてもよい。
水洗いする機能としてはバケツ、加圧式霧吹き、注ぎ口洗いブラシの3点。バケツはまあいいとして、加圧式霧吹きはダイソーで売っている緑色のやつで、2リットルのペットボトルにつけて手動ポンプを押し引きすると、そこそこの勢いで水を出せる。この意味でいうと、ちょっと強力な水鉄砲でもいいかもしれない。注ぎ口洗いブラシは、急須の注ぎ口を洗うためのブラシである。これはエアコンのクロスフローファンの羽ひとつひとつを掃除するのに便利。綿棒や歯ブラシも試したが、生産性が100倍くらい違う感じがした。注ぎ口洗いブラシについてはこの記事が詳しい。
エアコンの仕組みについて、事前に把握しておくと何をやってよいか、何をやってはいけないかを現場で考える際に役に立つ。たとえば下記が便利。これを見ておけば、たとえば熱交換器にかけた水はドレンパンを通じて外に出るが、クロスフローファンにかけた水はそうならずに下に落ちてるくるのが一目瞭然。
手順
エアコンはどれも同じような形状をしており、やることは単純。ただしいくつかつまづくポイントがあるように思う。
- エアコンのコンセントを抜く
- エアコンの外側カバーを外す。フィルタや自動お掃除機能などの取り外しできるものを外す。
- ルーバーを外す。このとき、ツメで固定されているものはツメを傷つけないように注意。ラジオペンチを使うとよいが、プラスチックと対話しながらツメが壊れないように行う。
- エアコンのガワを外す。エアコンのガワは通常複数個所ネジ止めされており、そのネジをすべて取ってから行う。また、今回分解したエアコンではツメが最上部に3か所あり、そのツメと対話しながら外す必要がある。しかしそのまま外すのは難しく、手前上げ側に回転させながらツメを押すとうまくいく。
- マスキングをする。左右の電装部品を主にマスキングするため、マスカーテープを左右に貼る。マスカーテープのビニール部分を開いてマスキングする前に、電装部品に布を当ててからやるとよい。マスキングが不完全な場合に水が電装品付近に侵入するが、布があれば布がある程度吸収してくれて電装品本体にかからない。また、通常下面側には電装品がない場合が多いが、センサやモーターなどがある場合があるので、下面側に何か電装品がついていないか確認が必要。電装品があればマスキングする。空気吹き出し口側はマスカーテープに加え、ゴミ袋を開いたものをくっつけて水がたまるようにする。
- 熱交換器の掃除を行う。加圧式霧吹きで水をかけてホコリなどを流れ落とす。ホコリを含んだ水はドレンを通じて外に流れ出す。今回行った感じ、熱交換機自体は若干ホコリがついている程度でそれほど汚れていないのでそこまで頑張らなくてよいが、ドレンはカビが生えている場合があるので、布やブラシで擦って落とすとよい。ただし、ホコリやカビの体積が多すぎてドレンホースが詰まりそうな場合はそのまま水をかけるのではなく、ぬぐい取ったほうがよい。
- 空気吹き出し口の掃除を行う。クロスフローファンを手で回転させながらまんべんなく加圧式霧吹きで水をかけて湿らせる。そのあと、注ぎ口洗いブラシでクロスフローファンの隙間を丁寧に擦る。こすり終わったら、加圧式霧吹きで汚れを洗い流す。通常、クロスフローファンや空気吹き出し口はカビが生えているので、それを吸い込まないようによく換気をし、マスクをしておくとよい。この作業(擦る部分)はひたすら単純でつらい作業だが、20分くらい擦り続けるとすべて完璧に取れると思う。本来はすべて分解してクロスフローファン単体を取り出し、風呂場などで擦ったほうが効率は良いように思うが、分解の仕方が分からなかったのであきらめた。汚れを洗い流した水は、ゴミ袋に貯まるようにしておくとよい。ゴミ袋に水が貯まりすぎるとテープがはがれて落ちてくるので、こまめにバケツか何かに汚水を移すことがおすすめ。
- 水を優しく拭き取れたら、パーツを元に戻し、送風運転を2時間程度行う。エアコンによっては送風ではなく空清と書いてある。最初は水が飛んでくるので、もし床が濡れたくなければ受け止めるか、新聞紙や布などを敷いておく。
ツメとの対話はプラスチック製品をいくつか割って苦労した経験がないとやや難しいが、無理やりやるとプラスチックが折れて修復が厳しいし、力を入れないとツメが取れなくて分解できないので、いい塩梅のいい方向の力を入れる必要がある。
また、エアコン2台のうち1台はルーバーの再装着方法が特殊だった。ルーバーを外す際は外側から外せるのだが、分解した状態でルーバーを付ける際には左側のルーバーのアクチュエータを取り外し、外側からピンを押さえながらつける必要がある。外すときとつけるときの手順が異なる点に注意。この点ははおそうじ革命横浜井土ヶ谷店の記事が詳しい。
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