飛行ロボット大会

さて3月21日、22日には大田区産業プラザというところで飛行ロボット大会というのがあった。参加チームは飛行機部門で35チーム程度だったように思う。第3回なのでだんだん技術が詰まってきている感じがあり、それにともなってルールも難しくなってきていると思う。俺らのチームは他のチームと何の交流もないまま参加したのでガラパゴス諸島を思わせる独特っぷりを示していた。

まず学校に朝7:30に集合して機体や機材・修理道具などを車に積み込む。いろいろ詰めていたら時間がかかって8:40くらいに出発する。道が結構混んでいて時間がかかって10:00過ぎに到着する。とりあえず大きなホールに荷物を置いて受付。周りを見て思った第一印象「うちの機体と違って他の機体はきれいだな・・」。

到着した頃の様子。

午前中に試験飛行があって、やってみる。他の機体はかなり余裕でカメラの具合などをチェックしていたが俺らの機体は離陸時の鋭い失速によってまともに離陸できない。浮いて失速して戻ってくる感じ。ということであきらめの速い俺らのチームの奴らは落ち込んでやる気を失っていたので、俺はイライラして(分かっていた結果に落ち込んでるようじゃどうしようもないなと思い)無視し、どうやったら挽回できるかを考えていた。

飛行船部門の1回目を見る観客たち。

飛行船の1回目が終わった後、プレゼンが行われた。朝、A4の紙を12枚貼り合わせて作ったA1より少しでかいポスターは、ここでもガラパゴスっぷりを発揮し、小さな文字と小さな写真というポスターのデザイン的にアウトな雰囲気を醸していた。まあ俺が書いたんだけど。機体を展示して来る人とかに説明していた。一人の方が「WASAっぽいね」と言っていたのでびっくりした。

ポスターの前でプレゼン。立ち位置に困った。

オールフライングテール・DAE41などいう根拠だった。確かに他のチームはエレベータはフライングテールではないし、翼型なんてだいたい上面しか貼っていない、しかもライト兄弟のような翼型(翼厚が小さい)ものだった。さらに俺らの機体では水平・垂直尾翼とも翼型を使用していたけれど、他のチームは板翼が殆ど。

さらにエレベータの前縁がないってことから色々アドバイスかつ修復をしてくれることになってプレゼンそっちのけで話ながらやってくれた。どうみても鳥人間の人だと思ってたら京大のチームの創始者だったらしい。去年パイロットだった話をしたりして盛り上がった。横ではプレゼンが終わり、懇親会が始まっていたので唐揚げとポテトだけ皿をもらってきて食べつつ作業を見ていた。

脚の補強(東先生曰く「女と飛行機の脚が丈夫なほうがいい」らしい)とエレベータの前縁によって水平飛行性能はずいぶん上がった。ただやはり先尾翼機の特性から急上昇すると失速するのはやむを得ない感じだった。一回試験飛行して、部屋に戻って充電したり直したりしてから一日目は20:30くらいに終了した。車で理工まで行き、そこから自転車で家へ。疲れてすぐ寝る。

  • 2日目

翌日も7:30くらいに出発。車を昨日出したやつは用事があってこないので俺は一人自転車で目的地へ。意外に近く、1時間かからずについた。手袋を会場に忘れたので靴下を手にはいていたのが曲者だったけれど。まず昨日の試験飛行その他で使ったリポとカメラを充電。充電器ってやっぱりみんな同じようなの使ってるんだなと思った。それと同時に一つの研究室から何個も出てるところは共用で使えていいなと感じた。

そして飛行機の1回目が始まる。順番は23番だったので結構待っていた。昨晩の試験飛行の結果、ロール安定が悪いと言うことが分かったので上反角を増やすために翼端をちょっとだけ追加したりしてた。自分たちの番が回ってくるまで、昨日はちゃんと飛んでいたのにモータの推力不足(埋め込みネジのゆるみによるものか、断線によるものか分からないが)で駄目なところが結構あった。

最終的に完成した機体。

モータ部分。

受信機・クリスタル(52Hz)・カメラ(青いやつ)

それを考えて再度ネジを締めたりしていた。俺らの番になって、ゴーグルつけてプロポを持って出て行く。カメラチェックとかサーボ、モータ系のチェックを終えたあとに開始。最初に推力をMAXまであげてから戻したら飛ばなかったのでもう一回始める。そうしたら激しく横に曲がったのでまたもう一回。

その次はラダーを効かしてまっすぐ進み、離陸したけれどゲートに当たった。ここで今まで一回も起きていなかったモータが取れるという事故が起きた。本番中は接着剤等による修理は禁止なので頑張ってくっつけようとするもどう考えても無理で時間切れ。ちゃんと離陸したのに惜しいなと感じた。車輪が昨日の段階で取っていたのも、地面の段差に引っかかるので曲者だった。

その後も見ていたけれど安定して飛んでいて凄いなと思う。というか安定して飛びさえすれば点数は最後まで分からないというのがこの大会の面白いところだと思う。昼にラーメンをおごってもらって、戻って2回目見てから半分寝ていたら閉会式になった。色々賞が出ていた。李家先生の講評が結構面白かった。そして参加賞もらって、自転車で馬場まで戻り、飛行機を置いてからロータリーでちょっとだけ飲んで帰宅。


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飛行船の様子


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ほぼパーフェクトな飛行をしていた東大院生チーム

今回の反省ポイントは結構あって、

  • 情報不足

そもそもラジコン飛行機や去年の機体から情報を得ているチームが多い中、俺らのチームは何も知らずに人力飛行機っぽい機体を作った。他のところは重心の調整がしやすく、配線が少なくて軽量化しやすい尾翼だったが、俺らはフライングテールだったし、尾翼の翼型はNACA0009だったけど他は板翼。「このくらいのレイノルズ数だと翼型でも板翼でもあまり抗力変わらないよね」って鈴木先生にも他の人にも言われた。

  • 構造的な問題

飛行機は構造を作ることが重要って視点が抜け落ちていたために、脚は非常に弱かったし、フレーム軸もねじり剛性が低くてフラフラしていた。一つの部材で持つのではなくてちゃんと構造を作ることが重要だと思う。

  • 動力的な解析がなかった

先尾翼機の上昇性能のまずさや鋭い失速特性、またロールに戻る時間などが試験飛行の不足や動力的解析をしなかったことから、なかなか安定しなかった。

  • 試験飛行不足

これが一番の原因だと思う。どんなに駄目な機体でも飛ばして調整することでなんとかなるものだと思うのだけれど、今回は結局相模原の体育館で2回、そして会場に行ってから2回の試験飛行しかできなかった。どう考えても調整不足。そして調整の段取り、改善などの方法も手探りだったために非常に調整のスピード自体も遅かった。

ってところかなあ。研究室に後輩が入ってきて、やる気があったらやらせたいなと思う。まあ俺もやると思うけど。

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