どんな車をシアトルで買うべきか考えたメモ

日紀

またシアトルで暮らすために車を買う必要がある。3年弱、愛知県の田舎、田んぼに囲まれたのどかな土地に住んでいたが頑張ってカーシェアやレンタカー、自転車を使っていたので車は買っていなかった。アメリカでは自転車通勤が禁止されてしまったので車を買わなければならない。2016-2020年に、アメリカで同じような地域に住んでいたので、こういう用途に車を使いたいという要望は結構わかっている。それを考えた上で車を考えた結果をメモする。ちなみに今回結構調べたが、そもそも車に対してあまり興味がなく素人なのでそもそものポイントを外している可能性がある。

どんな車がよいか?車に対して何を期待するか?

車に対する要望は下記のとおり。

  • 安全性が高い
  • 四駆
  • メンテナンスなどのコストが安い
  • 荷室が比較的大きい(大き過ぎない)
  • (できれば)Apple CarPlay/Android Autoが使える
  • (できれば)日本メーカー

安全性に関してはIIHSのウェブサイトがいい指標を提供してくれる。通常、安全性に関しては開発時の人形を使った衝突試験を参考にしている例があるが、実際に重要なのは実際にその車に乗ったときにどのくらい死ぬかである。試験で優秀な成績を収めても、実際にはそれほどでもないということもありそうだ。その点、IIHSではその車に乗っていた人がどのくらい死んだかを事故別にまとめてくれている(下記の画像参照)。これを参考にして選ぶ。注意点としては、たとえば高速道路にあまり乗らない人が使う車や、極端に売り上げが少ない車、運転マナーが悪い人が選ぶ車などの調査結果は、本来車が持っている安全性の性能とは少し変わってしまうこと。

死亡率が低い車ランキング (IIHS Status Report newsletter, Vol. 55, No. 2, May 28, 2020より引用、PDFファイル)

四駆は雪道や未舗装道路などを走るときにあるとよい。前に住んでいたときは2015 Nissan Versa Note(日本でいう日産ノート)という車に乗っていて、FFだったので雪道や凍った場所ではよく滑った。未舗装路に関してもはまらないか不安だった。その点、四駆のほうが多少滑っても回復する場合がある。アウトドアアクティビティを一切やらなければ問題ないが、国立公園や州立公園に行くとか、スキーにいくとかをやる場合は四駆のほうがよい。

コストは重要である。とくに、車そのものの値段から車を売るときの価格を引いて、それを使った年月で割ったものが高くならないようにしたい。それに加え、故障が少なく、メンテナンスコストも安いものがよい。ずっと使うのならまだしも、結局数年しかアメリカに住まないと思うので、その間に大きく値段が下がったり、故障して修理費が嵩んだりすることを避けたい。メンテナンスコストは色々指標があるが、たとえばメーカーによって違いがである。これによると圧倒的にトヨタがよい。日本車はスバルを除けばだいたいよい。

車で荷物を運ぶことが結構考えられるため、荷室は大きいほうがよい。これを考えるとセダンは選択肢から外れ、ハッチバック(マツダ3など)、ワゴン(スバル アウトバックなど)、サブコンパクトSUV(ホンダ HR-Vなど)、コンパクトSUV(トヨタ RAV4など)あたりが主な選択肢となる。大きすぎると運転が大変で、駐車も難しいし値段も高いので、ミッドサイズSUV(ハンデイ サンタフェなど)やラージSUV(シボレー サバーバンなど)は選択肢から外れる。また、ハッチバックは四駆のものがほとんどないので、実質的に選択肢に入らなくなってくる。

Apple CarPlay/Android Autoに関してはあったほうが便利。なくても携帯をつけるデバイスを買えばよいのでこれは必須ではない。また、日本の車メーカーは日本で売っていて評判が確立しており(いい車か悪い車かが日本基準でわかる)、アメリカでもリセールが良い車として有名であるため、日本車が望ましい。ただしこれも必須ではない。

具体的な車はどういうのがあるか?

はじめはスバル車がいいかなと考えていた。アイサイトによるためか安全性が高く、IIHSの統計でもどの車も安定して死亡率低めランキング上位を獲得している。値段も安く、西海岸での人気も高いのでリセールも期待できる。燃費はよくない。その中でもクロストレックが一番安くていいかなと思っていたのだが、昨今のインフレや中古車価格の上昇により著しく値段が上がっており、10年落ち10万マイル(約16万キロ)走行車でも日本円で170万円くらいする。日本だとそのくらいの車はたぶん半額くらいで買えるであろう。10万マイル超えてくると故障も心配である。ほかの車種はどうかみてみたが、アウトバックはだいたいクロストレックより高いし、フォレスターは同じくらいだがやっぱり状態に比べてかなり高い。インプレッサは若干クロストレックより安いものもあるが、劇的に安いわけではない。アセントはでかすぎる。

上記により一旦スバルをあきらめ、ほかにいいのがないか探すことにした。似たようなジャンルの日本車では、下記が市場に出回っている。

  • トヨタ RAV4 (コンパクトSUV)
  • ホンダ HR-V (サブコンパクトSUV、日本でいうヴェゼル)
  • ホンダ CR-V (コンパクトSUV)
  • 日産 ローグ (コンパクトSUV、日本でいうエクストレイル)
  • 日産 ローグスポーツ (サブコンパクトSUV、日本でいうキャッシュカイ)
  • マツダ CX-3 (サブコンパクトSUV)
  • マツダ CX-5 (コンパクトSUV)
  • 三菱 アウトランダー (コンパクトSUV)
  • 三菱 アウトランダースポーツ (サブコンパクトSUV、日本でいうRVR)

これらの選択肢で調べると、トヨタとホンダは飛びぬけて中古車価格が高い。スバルよりはだいたい高い。それだけアメリカでの信頼感があるのだと思うし、RAV4やCR-Vはそもそもかなり人気が高い車である。トヨタホンダは諦めて、次に高いのはスバルとマツダである。これもあきらめると、日産、三菱が待っている。この中でも特に、ローグ(とローグスポーツ)とアウトランダー(とアウトランダースポーツ)が安い。これは人気がないからである。

たとえば、USNewsのコンパクトSUVランキング2020を見ると、下記のとおり。ちなみに16位も三菱であり、これが最下位である。

  • 1位:マツダ CX-5
  • 2位:ホンダ CR-V
  • (中略)
  • 5位:トヨタ RAV4
  • (中略)
  • 11位:日産ローグ
  • 15位:三菱アウトランダー

Edmundsのスコア(2020)を見ると、たとえば下記の違いがある。

このように日産と三菱は評価が低く人気がないので安く買えるという利点がある。そのため、だれか知り合いがいい状態の車を譲ってくれる、などの好条件がなければ、ローグかアウトランダーのどちらかを買うことになるように思える。リセールは悪いが、結局はじめが安いので問題なさそう。

コンパクトSUVよりさらに小さいサイズとしてサブコンパクトSUVがある。その中でいうと、下記が安い。

  • 日産ローグスポート
  • 三菱アウトランダースポート

特にアウトランダースポートはめちゃくちゃ人気がないらしくすごく安い。これにすれば四駆の日本車が安く買えるという利点があるが、一方で人気がないので売るときに苦労しそう。

どこで買うか?

もっとも安く買えるのは、個人売買である。ただし、個人売買マーケット自体がそれほど大きくなく、自分が欲しい時期に欲しい車がないということは普通にある。また、CarFaxなどで車の事故履歴やメンテナンス履歴などを見られるものの、それでもトラブルに巻き込まれる危険性はある。すぐ壊れたとか、詐欺みたいな類だ。

個人売買でよい車が売ってなかったら、次の選択肢は中古車屋から買うとかディーラーから買う、である。普通に街中の中古車屋で買うという手もあるし、レンタカー屋が使っていた車を補償が切れるタイミングで売っているやつを買うという手もあるし、新車をディーラーから買うというのもある。近年はインターネットが発達しているので、Carvanaなどのインターネットで買えるというのもある。新車は高いのでとりあえず選択肢から外す。

レンタカー屋は年数の浅い走行距離が結構いった車を中心に売っている。街中の中古車屋より年数が浅いのがよいところ。また、Carvanaも面倒な交渉などが必要なく、自宅まで運んでくれるらしいのでよさそう。

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