アメリカでの楽しい引越作業メモ -ワシントン州-

日紀

引っ越しの日はシアトルらしく雨だった。

 

月額家賃が300ドル上がったので引っ越すことに決めたのが2ヶ月前。そこから次に住むアパートメントを主に妻が探した。いくつか候補はあったのだけれど、結局同じアパートの違う部屋に引っ越すことにした。アパートの家賃が上がった大きな理由は、季節的に家賃の高い時期に更新時期が被ったことだったので、実際に引っ越しする時期には家賃は下がっていた。同じアパート内で移動することで家賃を稼げるのは不思議の国アメリカである。

来年ももしかすると同じ憂き目にあってまた引っ越しをするかもしれないので、引っ越しに際してやることおよび引っ越しの流れをまとめておこうと思う。きっと来年の自分のために役立つであろう。いつまでアメリカに住むかは未定だけれど。

引っ越しのおおまかな流れは次の通り。

  1. アパートの家賃更新のお知らせが届く。今住んでいるアパートの場合、2ヶ月前に届いた。
  2. 引っ越すかどうかを決める。その際には、引っ越さなかったときの支払い増と、引っ越した場合の費用を比較する。それと、引っ越しの手間を考慮にいれる。
  3. アパートを探す。大抵の場合、アポイントメントを取り、アパートに出向いて部屋を見せてもらい、間取りの紙をもらったり、家賃やその他条件を見せてもらったりする。良い部屋であればApplicationのやり方を教えてもらうのもよい。大抵の場合、Applicationはインターネットから行う。
  4. Applicationする。ApplicationにはSSN、免許証の番号、緊急連絡先など様々な情報が必要となる。Application Feeが大人の人数分取られる。今回はひとり42ドルであった。このFeeはApplicantの信用情報を調べるためのもので、もしアパートに入れなかったとしても戻ってこない。また、給与明細も必要である。今回は直近2ヶ月分要求された。
  5. Applicationが通ったら、追加のお金を払う。はじめのNon-refundable FeeやSecurity Deposit、日割りの家賃や駐車場代などを支払う。また、入居日までにRanters Insuranceを付保する。付保したEvidenceをアパートに送る。Renters Insuranceは入居する大人全員の名前が書かれていることが必要である。今回はSecurity Depositはかなり安くなった。去年はアメリカでの信用情報がゼロだったが、今年は1年住んだため信用が増したらしい。また、契約書にサインをする。日本と違い、サインと言っても電子サインである。電子サインの字体が選べたりするおしゃれ機能もついている。日本ではなぜ電子サインは普及していないのだろうか。
  6. 入居作業を行う。Leasing Officeに出向いて、新しい部屋の鍵、車につける駐車場使用許可証、いくつかの書類にサイン、残りの支払額を小切手で支払うなどの作業を行う。今回は支払額についてはすべて事前にネットで払ってあったのでお金のやり取りはゼロだった。この作業が終わったあと、アパートメントの人と一緒に部屋に行き、Initial Inspectionを行う。はじめからここが壊れていたとか、そういうことを記録しておく。部屋はだいたいきれいだったが、洗濯機の汚れ、冷蔵庫の氷作るお皿がない、などいくつか指摘した。
  7. 引っ越し作業を行う。今回は同じアパートメント内だったのでトラックを借りる必要はなかったが、違うアパートメントに引っ越した場合はトラックを借りるつもりであった。また、引っ越しの際にエレベータを占拠するための予約を行っておく必要がある。引越し作業自体は昼前から始めて、妻と二人で夜9時くらいまでに95%くらいを終えた。もし違うアパートメントに引っ越すことを決めていたら、誰かに手伝ってもらわないといけなかったと思う。ダンボールはアパートメントのゴミ捨て場からいくつか拝借して荷物を入れるのに用いた。夜ご飯はピザを買ってきて食べた。
  8. 荷物の搬入がすべて終わったら、退去する部屋の掃除を行う。掃除が不十分だったり何かが壊れていたりするとSecurity Depositからお金が引かれてしまう。今回気にしていたのは、壁に穴を開けて本棚を設置していたこと、風呂のタイルの隙間のカビ、ブラインドの割れ、コンロの焦げ付き、洗濯機の水漏れによる床の剥がれ、などであった。壁の穴は補修材をamazonで買ってきて埋めた。下記が壁の穴と補修材。補修材を使って穴は埋められたが色が若干異なる。色を合わせるのは至難の業だということを学んだ。
  9. 退去する部屋の鍵を返す。鍵は鍵返却ボックスがあるので、夜中の12時(契約が切れる時間)前までに返せばよい。余談だがレンタカー屋とかにもこの返却ボックスは完備されており、人がいなくてもものを返せるのはアメリカのいいところである。
  10. 退去した部屋のInspection。基本的にはアパートメント側が実施するのでついていく義務はないが、どこがチェックされてお金が取られるのかは見ておきたかった。なので妻が参加。その結果、コンロの焦げ付きを指摘されたとのこと。
  11. 新しい部屋に運んだ荷物を整理する。新しいアパートメントでどこに何をいれるかを考えながら荷物を整理する必要があるので非常に時間がかかる。それでもいらないものを減らせてやや楽しい作業である。
  12. 引っ越しに伴う事務手続きを行う。

上記の流れで引っ越しをするわけだが、事務手続きに関しては結構机上作業が多いので、忘れないように下記にメモしておく。

  • Internet解約および新しい部屋での開始。
    • Wave Gというサービスを使っていて、そこに電話したら解決した。電話の人はかなり早口だった。引っ越しの日にお兄さんがやってきてぱぱっとPanelとOutletを作業してInternetが前と同じように使えるようになった。
  • 郵便局USPSに住所変更届を出す
    • アパート側が準備してくれたWebsiteで作業をやったのでお金はかからなかった。普通は転送設定にお金が1ドルかかるらしい。
  • 電気会社PSE住所変更届け
    • Puget Sound Energyという電気会社を使っている。Websiteで簡単に住所変更できた。新しい住居におけるアカウント番号をアパートメント側に通知する必要がある。
  • カード住所変更
    • Websiteで簡単に出来た。
  • 銀行住所変更
    • Websiteで簡単に出来た。
  • 免許証住所変更
    • Websiteでできる。License eXpressというサイトである。住所変更だけなら無料なのだが、住所変更に伴い免許証も変更したい場合は有料である。免許証は身分証明書として頻繁に使うので、最新の住所が書いてあることが望ましい。Websiteでも新しい免許証を頼めるが、20ドルかかる。直接Licensing Officeに行くと10ドルで済むので直接出向いた。そしたら新しい写真を取られた。1週間くらいで新しい免許が送られてくるとのこと。その1週間の間は代わりの紙を携帯する必要がある。下記は免許更新の様子。
  • 車両登録住所変更
    • Websiteで簡単にできる。これも上記同様License eXpressというサイトを用いる。
  • 幼稚園住所変更
    • 幼稚園に直接いうだけ。
  • 会社住所変更
    • 会社所定の手続きをする。健康保険も会社に住所変更を頼む。
  • 自動車保険/アンブレラ保険住所変更
    • 保険会社にEmailで連絡して終了
  • 病院住所変更
    • 病院に頼む。
  • ORCA住所変更
    • シアトル近辺のSUICAみたいなカード、ORCAカード。Websiteから簡単に住所変更できる。
  • 各種Webサービス住所変更
    • トヨタと日産のWeb portalがあるのでそれらの住所変更を行った。登録しておくと、たまに無償修理のお知らせとか、タカタのエアバッグの訴訟費用のお知らせとかそういうのが手紙で送られてくる。また、エアラインのマイレージやレンタカーのポータルの住所変更も行った。
  • 在留届変更(日本領事館)
    • 在留届の変更届を出す。ITに疎い日本には珍しくWebsiteで完結する。
  • 移民局(USCIS)に住所変更届出
    • アメリカ市民ではないので、移民局に常に居場所を知らせる必要がある。A-numberというのがわからなくて手間取ったが、自分のVISAにはA-numberが付与されないことを確認したので特に気にせず申請した。

意外とやればできるなというのが引っ越した感想だ。ペーパーワークは多岐に渡るが日本と違い直接出向く必要があるものはかなり少なく、ほとんどのことに関してはWebsiteで完結する。また、洗濯機/乾燥機/冷蔵庫/電子レンジ/食器洗い機などの重量系家電は備え付けであるため、持ち運ぶ必要がないのがかなり楽である。今回重くて辛かったのはソファ、本棚、テレビ台くらい。特にまた引っ越しをしたいわけではないが、来年も同じように家賃が上がった場合はまた引っ越しを考えることになると思う。

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