天気の子をみてきた

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天気の子を見てきた。日本に一時的に帰ってきており、天気の子いつやるのかなと思っていたらちょうど日本にいる間に公開になることがわかったので、行くことにした。たまたま@as_ninoといっしょに行くこととなった。

「ほしのこえ」、「雲のむこう、約束の場所」、「秒速5センチメートル」、「言の葉の庭」、「君の名は」をいままで見てきた。ちょうど、雲のむこう、約束の場所を紹介されて見たのがたぶん高校生のときなので、すでに15年以上前になる。いままでの中では言の葉の庭がすごい好きだった。今回はなるべく評判を見ないようして見に行くことにした。

以下ネタバレを含む。

とりあえず感想を箇条書きで書こうと思う。

  • 新宿・代々木・神楽坂などの身近さ

これは非常に個人的な感想だけれど、高校を新宿で過ごし、大学時代を神楽坂に住んでいた身にとっては非常に身近に感じられる舞台設定で嬉しかった。帆高が神津島から出てきてから新宿で職を探して見つからず、白61のバスに乗って神楽坂に行くのはとても親近感が湧いた。神楽坂に住んでいると、新宿に行くのは白61のバスがもっとも便利である。個人的にも通勤で使っていた。

高校は新宿と代々木の間あたりにあって、代々木もよくあるいたことがあったので廃ビルのモチーフもなんとなくわかった。さらに言えば、この映画を新宿のピカデリーで見たということも個人的には面白かった。すぐそこで、リアルな物語が展開されている感じがすごいするのだ。ピカデリーから信号渡れば歌舞伎町である。そこで帆高が走っている感じがする。

一方で新幹線の見える陽菜の家の場所はそれほどなじみがなかった。陽菜がいなくなって、陽菜と帆高が再開したあの坂がどこにあるのか気になる。

  • 偶然なのか何なのか今年の天気との類似性

シアトルに住んでいるのでわからなかったが、日本に帰ってきてからは、東京はずっと雨続きだった。聞けばその前もずっと雨だったらしい。この物語は異常気象による雨が続いているという話だったので、この現実の東京の天気も物語のリアルさを増強していた。天気の子を制作しはじめたのはこの雨のはるか昔だと思うので単なる偶然だろうけれど。

もともと雨はそんなに嫌いじゃない。これからは、さらにそれに加えて、もし雨がしばらく続いてしまっても、この作品と陽菜を思い出して、しょうがないと思えそうだ。

  • かなとこ雲(十分に発達した積乱雲)の上のところ

積乱雲の上は対流圏界面になっていて、雲はそれ以上上には登れない。天気の子では、その上のところに草原みたいなところが広がっていて、陽菜が天に召されたあとにそこに寝ていた。あそこに寝てみたいなあと思った。通常、対流圏界面より低いところでは高度が高いほど温度が低いが、この高度を境に高度上昇に伴い温度は上昇する。これにより、もし上昇気流があったとしても、すぐに断熱膨張によって温度が下がり、周囲の空気より重くなって下に落ちてしまう。これが繰り返されてある意味平衡状態になっていて、温度逆転層がつくりだすのがあの平原である。積乱雲は温度勾配の限界までしか登れない。陽菜の彼方はこの温度勾配の間にあったんだなあと思う。

  • 上から落ちるところで手を繋ぐ

陽菜を取り戻しにいった帆高が、ふたりで空で落ちながら手を繋げたシーンがすごい好きだった。あんな感じに、いなくなった人と再会できたらどんなに幸せだろう。下に落ちたらどうなるとか、一瞬先の未来すらも考えず、そのときを生きている姿は理想だ。二度と晴れることがなければ、きっと民主主義の世界では陽菜を殺して、世界を晴れさせるだろう。世界が滅びようとも2人でいることを望むその姿が美しい。

  • ラブホ

ラブホでカラオケをしたあと、体が雲みたいに透明になってしまい、それを見る帆高。ラブホで陽菜が服を脱ぐというシーンだけれど、それは、もうすぐ陽菜がこの世からいなくなってしまうことを示している。普通はドキドキと幸せと恥ずかしさに満ち溢れた、人生のいちシーンだろうけど、この物語では次に起こる別れが明示されていて、ここが人生のピークなのかもという気持ちにさせる。この一瞬を生きている感じがする。

  • 雨の表現

帆高が東京に来る船で浴びた滝のような雨、中学生たちが浴びたような滝のような雨は何を暗示していたのだろうか。わからなかった。この話とは別に、ずっと降る雨が窓の桟に当たる表現はすごい好きだった。

  • 警察から逃げる

歌舞伎町では雷を落として警察から逃げ、ラブホへ身を隠す。ホテルで警察に捕らえられて、所轄署に連れていかれても、そこから脱走する。俺だったら流石に、警察署に行った時点で諦めそうだ。帆高はそこから陽菜のためだけに逃げ、代々木の廃ビルに行き、そこでも陽菜のために警官に銃を向ける。なんてロックなんだろう。かっこよすぎる。帆高が廃ビルの中で鳥居に向かおうとするのをやめさせる説得する須賀さんには最高にイライラした。いまの世の中で警察から逃げることがどう評価されるのかわからないが、個人的には最高だった。

  • 人柱になる話

果たして人柱になるのはどういう条件で決まるんだろう。人柱になる話を夏美からもし聞かなかったとしても起きることだったんだろうか。それとも、初めて晴れて欲しいと願ってそれがかなったその日から決められていた運命だったのだろうか。

  • 雨に沈んだ東京

単純に、雨に沈んだ東京に住んでみたいと思った。社会は安定に至るまでものすごく混乱しそうだが、それでもなお新しい時代が始まるようで、その美しい景色を見てみたい。

  • 陽菜の年齢

18歳というのに特に違和感を感じなかったのだけれど、違和感があったのは二つ結びの髪形だった。18歳にしては結構幼い感じだなあと、何もわからないながらに感じていた。実際には15歳だという話になってほんの少しだけ納得した。しかし15歳でチンピラとホテルに行くというのもすごい話だ。そういう意味では社会的な作品なのかもしれない。

色々書いてきたが、美しい東京の雨が降る街並みが描かれていて、ロックで素晴らしい映画だった。大衆迎合しない、新海誠の感じも相変わらずいい(安易にキスしたりしないし、ライバルが出てきたりしない)。東京に滞在している間にもう一度見に行きたい。

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