COVID-19の感染者数および死者数の指数関数による予測

日紀

ワシントン州にCOVID-19が流行り始めて話題が身近になってきたので、これからこの問題がどのように収束するのか、もしくは発散するのかに興味がある。そのため、既存のデータからいくつか予測を行った。ちなみに筆者は専門的な医学や公衆衛生学、統計学の教育を受けているわけではなく、単なるいっかいのエンジニアである。そのため、何も確定的なことをいう立場にはないし、そのための知識もない。

データはJohn’s Hopkins Universityのgithubからもらってきた。

各国の感染者数の指数関数によるフィッティング

上記が3月7日時点での主要各国(中国本土を除く)のいままでの患者数の指数関数y=a^(x-b)モデルによるフィッティング結果である。予測は1週間後まで出している。この結果を眺めて思うことは下記。

  • 日本だけが患者数の伸びが異様に低い。理由を推測すると下記。
    • 日本だけが他の国に比べて特異的にCOVID-19の感染を防ぐ政策または生活様式、衛生観念などを持っている。
    • 日本の検査体制が各国に比べて著しく異なっており、ほとんど検査していない。
    • 検査はしているが発表していない。または発表するために資料をまとめる人員、能力が足りない。
  • 韓国はすでにここ2-3日の患者数増加が指数関数からずれてきている。これはうまく抑え込めてきた感じで、中国本土でも2月初頭に見られた現象である。
  • イランとイタリアは第2の武漢である。すなわち指数関数がいまのところよく一致しており、このペースでいくと1週間後にはイランでは6万人、イタリアでは4万人の患者が予測される。
  • フランス、ドイツ、アメリカ、スペインも指数関数とよく一致する。これらの国でも1週間後には数千-数万レベルの患者数が見込まれる。
  • ヨーロッパ各国、アメリカ、およびイランに比べ、上記データだけを見る限り、日本および韓国はCOVID-19の感染を抑えている。
  • 患者数というのは基本的に検査で陽性になった人の数だと思われるので、検査体制が飽和すると現象を正しくとらえられないと思われる。また、みんなが感染すると、感染していない人をウイルスが探すことは不可能になるので、そちらでも飽和するはずである。
  • 上記はすべて素人考えである。

中国本土とイタリアの比較から見るイタリアの未来

上記はイタリアと中国のCOVID-19の死者数の比較である。これから思うことは下記。

  • 3月8日のイタリアは1月31日の中国とよく一致する。どちらもこの時点までは死者数はy=1.3^xによく一致する。
  • 中国は2月4日あたりからこの指数関数には一致しなくなり、2月10日くらいからは線形になり、2月20日くらいからは収束する関数に移行している。
  • イタリアはこのままいくと1週間後には1日に500人、2週間後には1日に4000人の死者が出るようになる。中国レベルに抑えられるかが今後のポイント。

3月9日更新

3月9日更新で思うことは下記。

  • 日本は相変わらず感染者・死者ともに低く抑えられている。
  • 韓国は収まってきている。指数関数でフィッティングすることに意味を感じないので次回もし更新することがあれば消そうと思う。
  • ヨーロッパ各国は相変わらずひどい状況である。しかし、フランス・ドイツともに若干勢いが落ちているようにも見える。
  • イタリアは下のグラフに死者数も示したように、Day 9あたりまで中国本土とよく一致していたのだがここ2日間の死者数は中国本土での経験を上回っている。イタリアは中国本土より抑え込み能力が低いと考えられる。
  • アメリカは今のところ各国の中でもっとも勢いよく拡大しているように見える。
  • イランは若干伸びが鈍ってきているように見える。統計があやしいとのうわさもあるが不明。

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