シアトルと名古屋の生活費の比較その3

日紀

それぞれの項目についてその1その2で説明したので、全体としてまとめておこうと思う。今回答えたい質問は、名古屋でしていた生活と同じレベルの生活をするにはいくらかかるか?ということである。

いままで見てきたような食費や家賃などを全部合わせると、1ヶ月の生活費はいくらになるのだろうか。

1ヶ月あたりの生活費

名古屋では1ヶ月243581円。シアトルでは1ヶ月938303円。ということで、名古屋で1ヶ月あたり24万円かかる生活(夫婦+こども1人)だったものが、アメリカに来たら94万円になった。つまり、だいたい物価は3.9倍である。かなり高い。名古屋は日本の中でも東京近辺よりはだいぶ物価が安いし、シアトルはアメリカの中でもかなり物価が高い方なので、このような差になった。そもそも、日本はとても物価の安い国である。逆に収入でいくと、日本で手取り月収24万=手取り年収288万円の生活をするためには、シアトルでは手取り月収94万=手取り年収1128万円が必要になるということだ。

ものの値段は場所によって違うものと違わないものがある。たとえば、下記はどこでもあまり変わらないものだ。

  • iPhoneやパソコンなどのグローバルな電化製品の値段。もちろんそのときの為替や設定価格によって、日本で買ったほうが安かったりアメリカで買った方が安かったりするが、基本的には2倍とかにはならない。
  • 本の値段。最近は電子書籍が主流だが、アメリカでも日本でも同じくらいに思える。もちろんアメリカで日本の本を買おうとしたり、日本でアメリカの本を買おうとしたりすると若干高い。
  • 新車の値段。これもグローバルに売っているクルマの場合、価格差はほとんどない。

下記が大きく変わるものの一例。

  • 家賃。家賃は日本では広さ、新しさ、豪華さ、通勤の便利さなどで決まり、総じて安い。アメリカでは、治安、学区、広さなどで決まる。シアトルはAmazonやMicrosoftなどIT産業の街であり、人口増加が激しく、家賃もうなぎのぼりである。
  • 幼稚園の値段。名古屋では3万円だったがシアトルでは18万近くだった。単純に日本の幼稚園は人件費がすごい安いのだと思う。
  • ホテルの料金。書かなかったが、アメリカでは人数に関係なくホテルの1部屋の料金は同じである。そのため、家族3人で旅行をすると日本に比べてとてもお得感がある。結構いいホテルでも1人あたりにするとかなり安くなる。
  • 医療費。たとえば親知らずを抜くのにアメリカでは20万円かかった。日本ではそんなにしないと思うので、そういう意味では日本で医療を受けるほうが得である。
  • 外食。これもだいたい2倍くらいはするだろう。相当けちれば2倍しないのだが、日本ののりで行くと2倍程度になるように思える。

また、今回は日本と同等の生活と書いたが、実際にはアメリカでもっとケチれるポイントはあるだろうし、アメリカでの生活にあって日本にないものも多い。たとえば、クルマが2台あったり、家に乾燥機があったり、そういう類のものだ。なので、切り詰めればもっと差は縮まるであろう。

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