飛行機

2016年の鳥コンを見ていて思ったたった1つのこと

もう2ヶ月前になるが,琵琶湖に鳥人間コンテスト(by よみうりテレビ+イワタニ)を見に行った。思えばはじめてこの鳥人間コンテストにやってきたのは2005年のことなので,すでに11回目であることを考えると,年をとったんだなあと思う。なんだかんだ毎年かかさずやってきている。今年は1日目は家から電車で見てまた家に帰り,2日目は車で家族といっしょにでかけた。もともとは泊まりで行く予定だったのだけれど,仕事の都合で行けるかわからなくなり,ホテルをキャンセルしてしまっていた。

1日目はタイムトライアルがあって,始発に乗ったものの途中からしか見られなかった。2日目はディスタンスがあり,これも途中からしか見られなかったけれど,湖岸に座りながら快適に見た。ここ数年見るのに使っていたテトラポットは朝はまだ涼しいのだけれど,日が昇ってくるにつれて日陰が消滅し,厳しい環境となる。そこで,2日目は今年は湖岸側のすこしプラットホームから椅子を並べて見た。非常に涼しく快適で,こんな環境のいい鳥コンがあっていいのか,と思うくらいであった。1日目はテトラポットから眺めた。(滑空もみました)

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テトラポットからの眺め@1日目

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駐機場のようす

2日間慌ただしく見ていた中で,特に今年思ったのはピッチトリムが残念な機体が多かったこと。タイトルで言いたかったことはそれ。ミストリムのまま飛び出していって,そのままそのセッティングに苦しんだチーム&パイロットが多いように思えた。特に気合を入れて見ていた下記3チームで,ミストリムがもったいないなあと横から見ていて思った。

  • WASA
  • Flight Works
  • Birdman House 伊賀

WASAはあからさまにNose downミストリムだった。意図的でないとするならば,なぜあんなにNose downミストリムにしたのだろうかと不思議だった。重心をちゃんと測り,飛行試験を数回やれば,速度ごとのトリム設定が出せると思うけれど,あまり飛行試験ができなかったのかもしれない。速度ごとの必要トリムカーブを設計の人が計算しているはずだけど,どのくらいの速度で設定したのだろうか。もしかしたらものすごい高速で飛ぶことを考えていたのかもしれないけれど,パイロットの出力がとてもそれに追いついていない。みんな頑張って機体を作っているのに,トリム設定ひとつで残念な結果になってしまうのは,残酷だ。

Birdman House 伊賀もNose downミストリム気味で,かなり高速で飛んでいた。パイロットがパワーを入れていたのでWASAのようにはならなかったけれど,あとでtwitterで聞いてみた感じを考えても,かなりミストリム気味だったよう。もうちょっと最初に突っ込まなければ,もう少し長く飛べたんじゃなかなあと思った。

Flight Worksは出だしは良かったように見えたけれど,途中からトリム設定に対してパワーが足りていないのか,巡航パワーに対するトリム設定がずれているのに気づかなかったのか、高度を使って飛んでいた。人力飛行機はパワーなしでもかなりSink rateが小さいので、パワーが足りずにズブズブ落ちていることに気がつかないかもしれない。高度をパワーで調整して,速度をトリムで調整して,というのをうまくできるようになるのに練習がいるのかも。

いま他のチームの様子を見なおして見ると,立命館とか芝浦工大のチームもかなりのところトリムが原因で落ちている気がする。立命館はひどい。芝浦工大はもしかしたらあのトリム設定は正しくて,構造が問題だっただけかもしれないけれど。立命館の機体を一生懸命作っていた人が不憫でならない。その作る努力をすこしでもトリム設定に活かしてもらいたかった。ミストリムで落ちる機体を見るのは,積み重ねてきたであろう作り手の物語を想像すると辛いものがある。技術は正直だ。

ぜひとも設計の人は重心ごとの必要トリム量-速度カーブを仕上げてきて,つらい風景をなくしてほしい。

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2日目の快適な椅子

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ここ数年の恒例である近江ちゃんぽん。酢を入れるのが好きだ。

MRJは美しい夢を見るか

いま、日本で作られている旅客機MRJ。この旅客機に関する思いは個人的にはかなり強いものがあるのだけれど、世界は俺が思っていようと思ってなかろうと決まっていく。ただ待っているだけで人生を終えたくないので、MRJにまつわるストラテジについて考えてみる。もしかしたら生かせるかもしれないし。未来は作っていくもの。

ということで、基本的な競合機を並べて比較してみた。70席+のクラスと、90席+のクラスで世界のすでにある競合機種、これから作られるである競合機種について主な性能と状況を調べてみた。データ*1とデータ*2から調べて書いているけれど、タイポ含めて間違っているかもしれないし数字は絶対ではない。

f:id:salamann:20100625031312p:image

ジェット機の運航機材構成予測*3

上の表を見ると、航空需要は右肩上がりでこの波に乗っていればなんとかなる気もする。しかしよく見てみると、需要が大きいのはBoeing/Airbusの寡占市場である120席以上のクラス。特に120-180まで、今の機材ではA320、B737NGの需要が非常に大きい。この市場はこの市場で、次の機体は何か、と言われていたりするけれどそれは別の話。

MRJは現在のところ、70と90がある。Trans Statesの要望に沿って、100席クラスを作るという話もある。このクラスは非常に激戦区で、多くの会社が競っているマーケットである。ターボプロップの市場を減らして少し増える予想だけれど、それでも厳しいところである。ボンバルディアはこの市場から抜け出してB737NGクラスに行くためにCSeriesを作っている。Comacも国際的な競争力があるかは分からないものの、上へいくためのC919を開発している。これらはBoeing/Airbusのドル箱マーケットと競争になる。

マイケル・ポーターによる「5つの力」という、ある市場がどうなっているかを考えることで、業界の利益性、その中での戦略を決めるというモデルを考えてみる。5つの力は、以下のようなものなので、それぞれ考えてみる。

  • 新規参入企業の驚異(New Entrants)

このクラスでは大型機より新規参入の機会は多い。そのため、現在リージョナルジェットを開発している企業が多くなっている。ただし、今後さらに新規参入企業があるとは考えにくい。今リージョナルジェットを作っている企業のうち、三菱航空機は下請けから上へ、ボンバルディアはビジネスジェットからリージョナルジェットへ、エンブラエルはすべて新設計で狙って、Comacは中国による国をあげての新規参入、スホイもメジャーなのは戦闘機なのでリージョナルジェットは新規参入。これだけ新規参入が多いので、今後10年くらい新たに入るには障壁になっていると思う。

また、耐空性を審査して型式証明を得るという規制があり、さらに設計・開発段階では必ずキャッシュフローに悪影響を及ぼすので、資本がある企業が強いというのも新規参入を妨げる要因である。ただし、国による補助がある場合が多く、その条件を緩和していることも競争を激化させている原因であると思う。しかし今後このクラスに入ってくる可能性のあるメーカーは、それほど多くないのではないかと思う。インドやGAクラスの飛行機メーカーからかもしれないが、あまりありそうにない。

  • 売り手の交渉力(Suppliers)

サプライヤの力がどうなるか、ということ。航空機メーカーはインテグレーション担当なので、多くのサプライヤがある。アビオニクス、エンジン、アクチュエータ、脚など様々な装備品がある。これらのメーカーとどちらが交渉力があるかと考えると、それぞれの装備品メーカーがそれほど数があるわけでもなく、また特殊なものを作っているので発言力があるものの、今まではそれほど大きな発言力でもなかった。しかし、マーケットの航空機メーカー(エアフレームメーカー)が増えるとサプライヤの発言力が上がる可能性がある。

  • 買い手の交渉力(Buyers)

リージョナルジェットを買う側のエアライン側の交渉力のことである。これは間違いなく強くなっている。今までならボンバルディアとエンブラエルしか選択肢がなかったのに、これからは選択肢が増える。交渉して値切って、その会社から買わなくてもそれほど短期的に問題があるわけではないから。長期的にこの競争が続くとは思えないので、長期的にはどこを選ぶかということは大きなファクタになりそうだけれど。ということで、エアラインの交渉力は上がり、メーカーの交渉力は下がる。

  • 代替品の驚異(Substitutes)

この代替品とは、マーケットの外からという意味である。他のクラスの航空機、もしくは航空機以外の交通手段を指す。リージョナルジェットの上のクラスは、B737-500/600やA319、CSeriesのクラス、さらにその上はB737-700/800やA320クラス。リージョナルジェットの下はジェット機ではERJ、CRJの小さなクラスやターボプロップ機などがあげられる。リージョナルジェットはターボプロップ機のマーケットを食って行くので、この点ではよいかもしれない。経済性を考えると少し上のクラスが強くなってくるかもしれないが、それほど変わらないのかなと思う。

  • 業界内の既存の競合(Exsisting Competition)

これが一番驚異だと思う。三菱航空機、ボンバルディア、エンブラエル、Comac、スホイ、アントノフ・・など。100席オーバーのクラスも考えればBoeing/Airbusの機体も競争に入ってくる。現にANAのMRJはB737-500の代替になっていうのではないかという気がする。どう考えても競争が激しすぎるので、この5-8社くらいのうち、半分くらいはこれから10年くらいで撤退するのではないかと思う。

またエアフレームメーカーは利益率が低く、インテグレータなので差別化がしにくいという点が大きい。下の表でも出てくるが、エンジンで言えば今までではGEのCF34を使っているケースが多い。そしてMRJで採用されたPurePower(GTF)エンジンは低燃費という点でMRJそのものの一番大きなセールスポイントになっているが、これもCSeriesやIrkut MS-21にも採用される予定であり、エアフレームメーカーのセールスポイントとしては弱い。

このように考え、10年後などの未来にどうなっているかを考えるとなかなか厳しいマーケットに参入したものだ、と思う。この前発表されたローンチカスタマーのANA向けへのMRJ90の15機の合計額が692億らしい。1機あたり46.1億。ライバル機の価格はCRJ-900が25.2億円、E-190が27.9億円、SSJ100-95は21.6億という噂なので、ずいぶん高い。運行の経済性で打ち勝てるかどうか。採算ラインは350機、という噂もある。今のバックオーダーは確定で65機。

ということでスペックを見てみる。

  • 競合機

スペック 70席サイズ
MRJ70 E-170
/175
CRJ700
/705
SSJ100-75 ARJ21-700 An-148
メーカー Mitsubishi
Aircraft
Embraer Bombardier Sukhoi Comac Antonov
日本 ブラジル カナダ ロシア 中国 ウクライナ
初飛行
(予定)
2015? 2002
/2004
1999 2007 2008 2004
EIS 2016? 2004
/2005
2001 2008 2010 2009
座席数 70-80 70-78
/78-86
70
/75
68-83 78-90 68-80
全長
ft
107.6 98.1
/103.11
106.8
/119.4
86.9 109.9 112.7
全高
ft
32.8 32.4 24.1 33.9 27.8 28.2
スパン
ft
101.4 85.4 76.3
/81.6
91.2 89.6 94.8
巡航速度
Mach
0.78 0.82 0.78 0.78 0.82 0.80
エンジン型式 PW1217G GE
CF34-8E
GE
CF34-8C1
/8C5
PowerJet
SaM146
GE
CF34-10A
Progress
D-436
エンジン推力
lbf
15000 13800 12670
/13123
13500 17057 15058
航続距離
(旅客満載)
nm
800 1800
/2100
1434
/2002
1800
/2830
1200
/2000
1300
/2700
最大離陸重量
lb
81200 79344
/85517
77000
/84500
85600
/93200
89000
/96000
85000
/96000
離陸距離
ft
4560 6700 6072
/6377
4970 5600
/6200
5120
/6184
オーダー
(オプション)
0
(0)
325
(226)
351
(231)
0
(0)
92
(70)
221
(?)

            

スペック 90席サイズ
MRJ90 E-190/195 CRJ900/1000 SSJ100-95 ARJ21-900 CS100/300
メーカー Mitsubishi
Aircraft
Embraer Bombardier Sukhoi Comac Bombardier
日本 ブラジル カナダ ロシア 中国 ブラジル
初飛行
(予定)
2012 2004 2001 2009 ? 2012?
EIS 2014 2005
/2006
2003 2010 ? 20013/2014
座席数 86-96 98-106
/108-118
86-90
/100
86-103 98-105 100-125
/120-145
全長
ft
117.5 118.11
/126.10
119.4
/128.4
98.3 119.3 115
全高
ft
32.8 34.7 24.1
/24.6
33.9 27.8 38
スパン
ft
101.4 94.3 85.4
/85.10
91.2 89.6 115
巡航速度
Mach
0.78 0.82 0.80
/0.78
0.78 0.82 0.78
エンジン型式 PW1217G GE
CF34-10E
GE
CF34-8C5
/8C5A1
PowerJet
SaM146
GE
CF34-10A
PW1500G
エンジン推力
lbf
17000 18500 13123
/13630
15400 18500 21000
/23000
航続距離
(旅客満載)
nm
870
/1400
/1770
1800
/2400
1345
/1535
1830
/2750
1200
/1800
2200
/2950
最大離陸重量
lb
87300
/91400
/94400
105358
/115279
84500
/91800
85600
/93200
96160
/104024
121100
/139100
離陸距離
ft
47901
/5220
/5540
6700 6377
/6820
5033
/5915
5740
/6400
4951
/6200
オーダー
(オプション)
15
(10)
550
(453)
300
(223)
122
(63)
0
(0)
90
(70)

見てみる。ほぼ同じような形の飛行機が、ほぼ同じようなエンジンを積んでいることがわかる。空力性能や構造などでそれほどの優位性を見いだすのは難しいと思うし(MRJは当初複合材主翼の予定だったが今はメリットが少ないと言うことでメタルになっている)、乗せるアビオニクスなどもほぼ同じようなメーカーのもの。エンジンはGTFが使えたことで有利にはなるだろうけれど、それがどれだけ効いてくるのだろうか、と思う。

Trans Statesのオーダーが確定していない(MRJ100?などの100席クラスという噂も)ので載せていないので、オーダーだけ見るとMRJがものすごく出遅れているようにも見える。納入が遅いのでという言い訳もできるけれど、やっぱりこのままだと寂しい。月産3機を作れるようになるらしいので、もちろん初めから月産3機とは行かないだろうけれど、そのペースなら今の15機は5ヶ月で作り終えてしまう。

既存機が飛んでいるわけでもないし、勝てる戦略を考えるとなかなか難しい。原油がものすごく高くなればエンジンで勝てるかな、と思うけれど戦略じゃなくてそれは運。あとはカスタマーサービスをどうよくしていくか、というところが最大に重要になってくる気もする。あとはストレッチさせてより大きなクラスの需要が大きいところを狙って行くか。ただしそうして競争すると現在下請けしているBoeingのお仕事がなくなる可能性が結構ある気がする。

今回調べるにあたって、それぞれの飛行機のサプライヤも全部調べてみた。けれどそれをまとめるにはちょっと膨大になりすぎることが判明したので、それはまたいつかにとって置こうかなと思う。まだまだ書けてないところいっぱいあるし、間違ったデータを載せてる可能性もあるけれど、とりあえずちょっとずつ書き足していこうと思う。

*1:英語版wikipedia

*2:JADC http://www.jadc.or.jp/

*3:JADC http://www.jadc.or.jp/

前進翼って・・

今日は起きてみると時間が危なかったので、適度に急いで学校へ。みんなもう集まっていた。昨日のうちに既に主翼の設計を終えたので、今日は全体のコンセプトとかを決める日。とりあえず、電装系が謎だってことと、尾翼の位置、それからモータ、サーボ、受信機、プロペラなどの重さや値段を調査すること。それから重心を出すこと。

昼ご飯を食べながら機械科の教育の駄目さについて話し、頑張って統計力学と量子力学、それから複素関数論、偏微分方程式、フーリエ展開、確率・統計などの数学、それから航空力学・制御などをやらないと駄目なことが分かった。さらにVINEの端末に行っていろいろ話してから見学にいくことに。

友達の研究室、M輪研に飛行機を作っている人がいるという噂を聞いて、行ってみる。入ってみると、確かに重さははるかに重いけれど飛行機だーと思った。尾翼はふたつのサーボから糸を引っ張って制御していて、レシーバが機体前方に3chのやつがあった。モータは可変アンプにつながってて、回転数を制御できるようになっているようだ。主翼は二次元翼型がclarkで、三次元はテーパ翼。そしてねじり下げがついていた。リブとスパーはバルサで、外皮は熱収縮フィルム。上反角は初期上反がついていた。だいぶためになった。

それから5限くらいの時間になって教室へ。言ってみると知らない女のひとが前にいるなと思ったら、今日は課題をやる日らしい。自習とは高校生みたいだなと思った。内容はMichael Porterの理論について。Diffrentiation in focused marketについてはMRJとGeared Turbofanについてもりもり書いた。最初のやつは英語ひどいだろうなあと思う。ひろきは製図部屋へ。

6限は生物。相変わらず後ろの方はうるさかったけれど、俺は航空力学の基礎を読んでいた。懐かしいのと面白いなと思っていろいろ読んだ。生物は耳が左右に位相差のある音が入ってくるのをどうやって脳は同じ音だと認識するかという話題をおじいちゃんが喋っていた。うしろのうるさいやつも悪いけど、注意しないのもどうなのかと思う。大学教員も教育を学ぶべき。

帰ってご飯食べて、Blenderで明日のプレゼンの作ろうかと思ったけど面倒なので断念し、友達に任すことにした。あと久しぶりにほんのちょっとだけCやった。-lmを思い出した。明日は発表。CFDやってないなあ。やらないとなあ。

スーツケースの渡り鳥

昨日の実験はやったことと言えば人間エクセルの一員になっただけだったので非効率さに眩暈がした。今日は今日で一回寝てしまったのでうまく寝れず、朝までエクセルと戯れたりしていた。朝になってご飯を食べて学校へ。

1,2限は加工実習。今日は自分の加工の番だった。大きい歯車を作ったわけだけど、やっぱり人が作るのを見ているより自分でやったほうがずっと面白い。暇でしょうがない授業のトップ3を争っていたけれど、自分の番は暇じゃなかったな。ずっと立ちっぱなしでヒザが痛くなったけれど。煙がもくもくして煙たくなったのはいただけなかったけれど。来週は歯切り。

3限にあるはずの燃焼工学は休講なので、俺は180が言っていたMicrosoftの偉い奴の講演に行こうかと思ったらそれは明日だとメールが返ってきた。しょうがないので4端へ。ひさしぶりにVINE LINUXを触った。友達と話してたりネットしてたりで結局レポートはやらなかった。日中眠いとあまりいいことがないなと思った。ただ、二つ新しい進展。

まず、友達が木曜にやっているという勉強会に行きたいなと思ったこと。量子力学とかもやらないとなーとか言ってた。やることは院試の問題を解いてるだけらしいけど。あと、前から出たいと思っていた、

http://www.indoorflight.t.u-tokyo.ac.jp/

があるんだけど、これに出てみようという話で盛り上がった。ネックなのはカメラ代とか、制御の問題とか。作るのは今までの経験を生かせばできる気がするんだけどな。

5限はBoeing JAPAN社長のNicole Piaseckiさんの講演。まずその前に端末に財布を忘れて全力で取りにいった。大して入ってないけど、むしろそんなことよりも面倒くさいカードとか証明書とかがなくなるのが嫌なので。見つけて走って戻ってきて、話を聞く。

女の人でビジネスの話だったから、機械出身だって言ってたのにびっくりした。エール大機械出てMBAも持ってるというたまにある強いパターンだなあとか思った。話は要約すると主に3つで、今後のマーケットについて、B787について、グローバルビジネスについて。よく聞く話題だなと思った。英語が非常にゆっくりだったのでほぼ完璧に聞き取れた。みんな日本人だから意識して丁寧に喋ってたんだろうと思った。

まず、航空輸送が今後伸びるという話。よく聞く話だと思った。エアバスも同じ予想してるよって言ってた。それから顧客のニーズ、飛行輸送の量は増えてるけど席数は変わらない→回数の増加ってこと。そして中国の航空網の発展について喋っていた。それから飛行のサイズの話で、100席以上では2社のみ、100席以下ではMRJなども増えてきてるという話。

そこからB787の話で、まずcomposite材が50%でエンジンはGE、RRともに選べるということ。またそのため燃費がよくなるよと言っていた。まあよく聞く話だと思った。あとは車よりも燃費がいいとか、騒音が低下したとか、室内の湿度調整ができるようになったよとか、窓が良くなったよとか言っていた。そして東京からポートランドまでノンストップで行けるという話をしていた。

あと、A380との競争の話、すでに700機以上のオファーがあったという話、MHIが主翼、KHIがfulesage,FHIが中央翼を作ってるという話。あとはシアトルに持っていって最終組み立てしてるよという話。そこらへんで話は終わった。結論から言えば新しい情報はほとんどなかったけれど、まあつまらない話でもなかったなと思った。でも頭で読む*1ことばかりを考えていても駄目だしなと思った。

そこから質問タイム。前のほうのおじさんが最初に質問していた。中国とロシアの動向についてとか、compositeのリサイクルについてとか言ってた気がする。それから俺の斜め前の人が、エンジンのシェブロンノズルはなぜギザギザなのかってことを聞いていた。英語流暢だなと思った。ギザギザの理由は騒音対策。そういえば前にそんな話を聞いたことあるなと思った。でももちろん美しいよねとも言っていた。

その後質問しようか悩んだけれど大した質問を思いつかなかったのでやめた。今考えると、B787以前にあった超音速機(計画)はもうこれから作らないのかとか、MHIがMRJの計画を立ててていることについてBoeingではどう思っているのか(日本から出る杭をまたアメリカが打つことはないのかってこと)とか聞けばよかったな、せっかくの機会だったんだし。

それから格納庫にタカフと行ってみたけれどお腹が空いて耐えられなくなったので帰った。家についてご飯食べてすぐに寝て起きたら全体メーリスに個人的なメールが流れてて「これはひどい」と思ったけれどそれ以上考えないようにした。英語勉強しよう。躊躇なく質問できるように。あと、進路だなあ。

MJ!

さて今日は起きてみると11:00くらいで、それから朝ごはんを食べてうだうだしていたら14:00ちょっと前になったので、いそいそと学校と反対方向に自転車を走らせた。本当はもうこの時間は本来なら憲法のラスト授業なのだけれど、友達に問題を聞くことにして。多少道に迷ったけれど、東京ドームの脇から坂道をのぼり本郷通りへ。

そして東大に到着。場所はあいまいにしか覚えていなかったので、赤門の側の透明なやつかと思っていたら違って、もう少し向こうのほうだった。入り口で名前を書いて入る。最初は大して混んでいなかったけれど、始まるころの時間には大量に入ってきて、立ち見続出の事態となった。多分これは俺とかあんま関係ないやつが来たからだろうw。正式名称、国産旅客機開発セミナー「きっとまた、日本の翼は大空に還ってくる」。

ぶれてるけど、終わったあとに撮った写真。

最初は一人一人講演。その前にこの企画がどうやって決まったかの話があった。航空宇宙じゃなくて環境海洋の修士の人が計画して、それを航空宇宙の鈴木真二教授に相談して決まったらしい。なんでそんなことを計画したかっていうと、単に飛行機好きだったようだ。それから工学研究科の副なんとかって人が話した。その人も航空宇宙じゃない(電子とかだった気がする)けど、単に飛行機好きなようだ。

1人目は経済産業省の笠間太介氏。航空機産業は今後も年4%程度の成長が見込め、他の市場に比べて伸びるということ、さらに経済産業省は支えていきますと言う話。それでもやっぱり日本の重工は小さな会社で、4大重工メーカー合わせても世界の飛行機メーカーに比べればはるかに小さいと言う。しかしそこでいつまでもボーイングの下請けばっかりやってられないということでYS以来のプロジェクトであるMJ(経済産業省主導で三菱重工業が開発している環境適応型高性能小型航空機の仮称。Mitsubishi jetの略)の話。具体的には今年に本当に作るかどうかを決めて、平成23年初飛行、平成24年に市場投入という話。さらに、P-X、C-Xの民間展開の話。この人は自分が心からやりたいんだ!ってことを言ってて非常に好印象かついいなと思った。やるとなったら腹をくくってやるので、YSの時みたいに逃げたりしないと言っておられた。ちなみに役所に勤めているけど、東大理院(物理)出身らしい。

2人目は三菱重工の中浜啓輔氏。東大院(航空)出身。名航で実際に作ってる。みんな気になってるけどなかなかニュースとかメディアへの発表が少ないMJの具体的な開発状況について。今までMHIではボーイングの下請け(B787では割合は上がっているが)だったのを、MJ投入。このクラスは20年間で世界で5200機の需要が見込めると言う話。具体的なライバルはボンバルディアCRJ700/900とエンブラエルEMB170/190。燃費や騒音の点で技術的にははるかに勝てる。CFDと有限要素法で優れた翼型をつくり、エンジンを開発(まーこれはロールスロイスかGEらしいが)。ウイングレットはついてる。風洞実験は3回やった。垂直尾翼の実物大作ったり、シートのモックアップ作ったり。やっぱ今年にATOがあって、それを通れば本格GO!と。この人も非常に熱くていい人。

3人目はJAXAの今村太郎氏。東大院(航空・博士)出身。JAXAとMHIの協力状況について。実際にCFDで騒音を減らす研究をしてたり、離発着時の全機まわりの流れの解析、フラッターの解析、スラットの研究、またオープンループの制御、着水・胴体着陸時の実験とか。楽しそうな研究。

4人目はJADCの馬場さん。マーケティングについて。日航製の最後の新入社員だったらしい。ここ10年の劇的なリージョナルエアラインのジェット化について。それからいろんな説明があったが、良くあるリスクの説明。日本がなぜYS以来、技術力はあるのに作れなかったか。これは、よく言われている点を指摘していた。つまり、

  • ローンチまで少なくとも4年かかり、実際に行った投資を回収するのにうまくいっても15年くらいはかかるので、それに対するリスク(その間に会社が持つかどうか)
  • 国内市場だけに売っても絶対に赤字。
  • 世界の市場に売るとなると、他の競合他社より優れていなければならないこと。
  • 新しいエンジンによる燃費向上・騒音低下実現しても、そのエンジンを積めば同じようなものが作れてしまうことになるため(これはエンジンメーカーがRR・GE・PWがほぼ作ってるから)
  • 売ったとしてもそこで終わりではなく、カスタマーサービスが飛行機の寿命分(30年とか)ついてまわること
  • 日本の航空機メーカーはセールス(販売)の経験がYS以来ない。

ってこと。これと日本の防需+ボーイングの下請けで重工メーカーは食べていけたため、あえて高いリスクをとるようなことはしなかったということ。これは確かに冷静に考えればそうなのだけれど、そういう冷静な思考の結果、YSよりも後発のエアバスにしろエンブラエルにしろボンバルディアにしろ抜かれてしまったわけで。

さらにそこで休憩。スタバのコーヒーが飲んでいいってことで、もらった。しかし後ろからぶつかられて手にかかって多少火傷した。コーヒーを飲んで、まったりとしていたら、次のパネルディスカッションが始まるという話で、戻る。多少席に空きができたので、メモするのも楽になった。

パネルディスカッションはさっきの発表メンバーに加え、JALの中島さん、東大新領域の武田教授、東大航空の李家教授、東大航空の鈴木真二教授だった。最初、この企画を作った人が質問した。

Q.B787の主翼を三菱重工では今作っているが、これと並行することでMJのモチベーションはどうなのか?ってこと。

確かにこれは非常に興味のある質問。そこでMHIの人が答えたところ、やっぱり今は人的リソースはB787に割かれているらしい(製造図完成した、と)。でもこれが落ち着いたらがっつりMJに取り掛かるという話。ちなみに圧倒的な人員不足のため、来年から名航では採用を増やすとのこと。うーんこれは大きいな。

Q.MJに対する産と官のビジョンは?YSの時は当時の通産省が手を引いて終わってしまったが、そういうビジョンの違いは起こらないのかってこと。この質問はまだ学部の1年生(だから駒場・教養)がした。まさに鋭い!とか思った。そこで経済産業省の人が答えた。やっぱりYSのときは日航製で官べったりだったし、販売者と製造者が違ったこと、などよく言われている問題点を指摘。今回はビジネスとしてMHIが考えているということ。さらに審議会で意思統一を図っていることなど。さらに鈴木教授が、ボーイングが1990に日本が飛行機を作る危険性はないのかってのを調査しにきたときに、技術者・技術は十分ある、しかしみんなベクトルがバラバラで協力していないため、絶対に作れない(=自分達の脅威にはならない)という報告を説明。これは初めて聞いた。さらにここで、そのなんとか審議会の座長の久保田さんから具体的なリスク・資本・保険などの話。そこでこの前やった(この日記のhttp://d.hatena.ne.jp/salamann/20060704参照)annualシンポジウムの話は出た。俺もそれ行ったよー!とか思った。熱意が今はあるということ。

Q.航空産業が進まないのは?また、資本的な面ではまずいのは分かっているが、技術的なとこでは実際どうなのかと言う話。この質問は他大の人がした。ここで初めて自分以外に他大の人がいたんだってことを認識。この質問が始まる前に、コーディネーターの鈴木教授が「質問するときは学年と名前を言ってねー」的なことを言っていたので、やっぱ東大なのが前提なのかと思っていたがそうでもなかったようだ。この質問に対する答えは、個々の要素技術では欧米にひけをとらない(むしろ日本なしではボーイング・エアバスも飛行機を作れない)が、やっぱり全機開発の経験がないってことがでかいようだ。さらに下請けなのでフィードバックがないということ。例えばJALでもANAでもトラブルが起こったときは全部ボーイングに報告が行き、日本にはその蓄積がないということ。さらにJAXAの人がCFDの技術ではボーイングに対しても引けをとらないと自負するが、ただ実際の飛行機を飛ばして実験ができない(空力性能や騒音性能などは1.CFD、2.風洞実験、3.実機の試験で決まる。ボーイング・エアバスはこの実機の実験データを膨大に持っている)ため、研究として閉じていないという例を紹介。さらに鈴木教授からみなさんの先輩方の研究ははMITにも負けてないんだと学会の発表から指摘。

Q.技術としての長期ビジョンはあるのか(YSから受け継がれているのか)ってこと。さらに、このMJの後継機とその技術伝達はどうなのかという質問。これはYSの時は作ってみたものの後のビジョンがなく、プロジェクトとして失敗したということを踏まえたものだと思う。これに対してMHIの人は、MJの後は決めていないということ。それじゃあYSの二の舞では?と少し思った。もし成功したなら、エンブラエルとボンバルディアからの反撃があり、それに対する後継機を作っていくのだろうともコメント。また、MJにもYS経験者のおじいちゃんが、CADを使ってバリバリ設計していたりするらしい(やべえかっこいいなそのおじいちゃん)。さらにここから前の方にいるおじいちゃん方が、「自分が一番、YSに継ぐ国産旅客機開発実現を願ってたんだ」というアピールとリアリズムの話。個人的にはリアリズムは無視できないものの、それだけでは何も進まないし、夢と熱意がないと駄目だろうと思う。そこらへんで終了。

その後、もう一回スタバのコーヒーをもらい、ひげのおじいちゃんと何故かYSの話とかイリューシンの話とかツポレフの話とかスピットファイアの話を、コーヒー飲んでたラウンジでされた。話に軸がなかったけれど、飛行機好きなおじいちゃんなんだってことは伝わった。それから自転車に乗り、帰る。途中で有馬記念の馬券を換金しようかと思ったけれどあいてなかった。

今日の話で思ったことは、段々国産旅客機の話が具体的になってきて興奮・嬉しいのと同時に、俺がこの場にいる異端者だったってことが残念で後悔。あーここ(東大の航空)に入りたかったなーといまさら感じて。俺の高校生の時に思い描いていた、東大理一に入る→進振りで航空へ→修士でて名航へ→そこでそのころやってるはずの(俺が高校生のときから結構噂になっていた)国産旅客機開発プロジェクトに参加、という計画が既に一番最初のステップでつまづいたのが痛かったなーもっと受験勉強するんだったな、と。あー俺は今なにやってんのかなーと思う。

しょうがないので今は目の前にある、来週テストの製図・工解析・流体・加工学を必死に頑張るしかないのだろう。しかし今日は長文だった。全部読む物好きはいるのかな。